2014年4月7日月曜日

ORION-15 28mm F6 (L)


 開放F値6.0の広角レンズ・・・ロシア製ライカLマウントの 【ORION-15 28mmF6(L)】 オリオン-15 28mmです。Lマウントの28mmといえば【Leitz HEKTOR 2.8cmF6.3(L)】ヘクトールがスペック的には近いわけですが、こちらのオリオン-15はアルミ鏡胴で重量も60g弱しかない軽量レンズですので、質感や操作感という点ではヘクトールと比較するのはちょっと無理がありそうです。ただこのオリオン-15も写りに関してはコントラストの高さやキレの良さ、歪曲の少なさなどなかなか評判は良さそうです。ヘクトール2.8cmは外観デザインと質感、操作感、そしてキレのある素晴らしい描写がさすがライツレンズという印象でしたが、そのヘクトールの写りに対しこのオリオン-15はどこまで迫っていけるのか楽しみです。早速試し撮りといきたいところですが、その前にレンズを正面から覗いてみると・・・

 これは絞り開放の状態(F6)なのですが、このように絞り羽根は全開となっていません。光学性能的にあえてF6という設定に抑えたという事なのでしょうか。これがもし絞り無しの全開放としたらどの様な描写になるのか?相当な周辺光量低下や盛大に収差が現れて全く画にならないのか?意外と面白い描写が生まれるんじゃないか?一度試しにやってみても面白いのでは?・・・などと考えてしまうのもロシアンレンズならではの面白味と言えるかもしれません。


 ファインダー(SONY α7)を覗いてまず気になったのがピントの山が分かりにくいという点です。28mmのワイドレンズで開放F6最短撮影距離が1mなのである程度は予想していましたが、フォーカスポイントを最大に拡大してピント調整してもピークの変化がとても小さくカチッと追い込めた実感がありません。画面中心でこの様な印象ですのでフォーカスポイントを周辺部に置いた場合には更に分かりにくくなります。こちらのサンプルはF11位に絞って手前の『菜の花』辺りにピントを置きました。ほぼパンフォーカスで周辺部の目立つ収差も見られず高コントラストで発色も自然な描写ですが解像感という点ではイマイチです。


 絞りF8辺りですが若干周辺光量の低下が見られます。


 もう少し渋い発色になるかと思いましたが意外と彩度の高い画になっています。


 こちらのカットも『桜』『鳥居』共にシャープな描写が得られています。
 全体的に色のりがしっかりとして高コントラストな描写が実感出来たオリオン-15ですが、どのカットの撮影時にもピントがきているか若干不安を残しながらの撮影でした。カチッと構図とピントを決めて細部まで詳細な描写を求める撮影の場合にはもう少し解像度が欲しいなという印象です。一方、高感度特性の上がった現代のデジカメでは暗いレンズでも十分使えることから、絞って常にパンフォーカスという撮影スタイルのスナップ写真には向いていると言えるかもしれません。

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