2014年11月24日月曜日

Chiyoko Ⓒ SUPER ROKKOR 45mm F2.8 (L)

 
  これまでにも何回か取り上げたことがある千代田光学精工(ミノルタ)のライカLマウントレンズ【ChiyokoSUPER ROKKOR 45mm2.8(L) 】スーパーロッコール『梅鉢』です。独特なデザインのピントリングと高い剛性感の造りがとても魅力あるレンズですが、今回は手元にある前期型と後期型の2本を横に並べて比較してみたいと思います。
 
 
 右が前期型で左が後期型となります。前期型には無いピントレバーが後期型には設けられている点が外観上の大きな違いです。また前期型には正面の銘板に開けられた丸穴に絞り値が表示されるという機構がありますが、後期型ではこれが無くなっています。細かい違いですがレンズ銘などの文字サイズも若干異なります。真正面から見るとこの程度の違いに見えますが、少し斜めから見てみると・・・
 

  フィルター枠の深さが違うことが分かります。また前玉の押さえリング形状が異なり前期型は浅く細かなローレット加工が施され、19mmフィルターが装着可能なようにネジ切りされています。一方後期型はローレットではなくカニ目レンチ用の溝が切られ、すり鉢状の反射防止形状となっています。後期型でもシリアルナンバーの小さいものは19mmフィルター装着可能なタイプも存在しますので、すり鉢タイプのものは最後期モデルと言えるかもしれません。
 
[後期型]
 
 
 前後期共、全群回転ヘリコイドのためピントリングを回すとレンズの前半分は一体で動く形式です。ヘリコイドの回転角は半周の約180度ですので、後期型に設けられたレバーの方が楽にピント操作を行えるという点と、距離を固定したまま絞りリングを操作したい場合にピントレバーは役に立ちます。
 
[前期型]
 
 前期型絞り値表示の丸穴です。近距離側にピントを合わせていると絞りリングに刻まれた絞り値が真下の方に回ってしまうので、正面を覗けば絞り値が分かるこの機能は便利にも思えますが、ゴミが入りやすい等の理由から後期型では省かれたのではと想像されます。絞り値の確認が少しでもし易くなるようにとの配慮からか後期型では絞り値がリングの二カ所、180度対に刻まれています。
 
 
 マウント側を見てみると距離計連動カムの構造が異なることが分かります。前期型は直進タイプなのに対し、後期型はスクリュー式となっています。ヘリコイドを操作しながら見てみると前期型の方がカムの動きに若干ですが僅かな遊びが感じられます。これにより連動に誤差が出る程では無いと思いますが、後期型は改良されたと言える変更点かもしれません。
 
 最後に撮影サンプルです。まずは後期型の絞り開放です。
 
 前期型、一段絞ってF4です。
 
 

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