2012年12月20日木曜日

Nikon Cine-NIKKOR 13mmF1.9 (D)


 アメリカREVERE社製8mmシネカメラに付属していた【Cine-NIKKOR13mmF1.9(Dマウント)】です。外形は径24mm×長さ28mmほどで、なんと親指の半分位というとても小さなレンズです。このコンパクトサイズの中にレンズ、絞り機構、ヘリコイドが詰め込まれているんですね・・・驚きです。コンパクトなレンズはコンパクトなカメラにという事で、フランジバックが短くDマウントレンズをアダプターで装着出来る『PENTAX Q』に付けてみました・・・


 いやー何というバランスでしょうか。『PENTAX Q』自体が相当小さいカメラなのですが、これだけレンズが小さく見えると正に『豆レンズ』という表現が的確ですね。これだけ口径も小さいレンズだと写りも相応かなと・・・



 8mmシネ用という事でイメージサークルも小さいのでしょうが、『PENTAX Q』のセンサーサイズも小さいのでケラレは見られません。以前紹介したCマウントの『KERN YVAR』や『BELL&HOWELL LUMAX』に比べるとシャープさは随分劣りますね。やはり8mmシネ用といった感があります。ただ色のりやコントラストはまずまずで、被写体と背景処理次第では立体感のある面白い画ができそうな気もします。
 現代のレンズはAF機構もあって更に精密になっているのでしょうが、当時の小型部品の製造と組み立て、そして調整の技術が磨かれて現代に繋がっている・・・との想いに耽りながらこのかわいいレンズを触っていると、少しだけ重みが増してくるような気がしてきます。最近はケータイやスマホの画質も良くなりコンパクトデジカメの将来が危うくなってきているようですが、金属とガラスで出来た重量感と質感は何物にも代えられません・・・。

2012年12月6日木曜日

KERN-PAILLARD YVAR 16mmF2.8 AR (C)


 16mmシネカメラ用レンズの【KERN-PAILLARD YVAR 16mmF2.8 AR】(Cマウント)です。
 黒ペイントの鏡胴にシルバーリングがアクセントとなっている個性的な外観デザインのレンズですが、このレンズのもう一つの特徴として挙げられるのが被写界深度を示す指標です。絞りリングを開放側から順に絞っていくと、距離指標の上部に空けられた左右6ヶ(計12ヶ)の小さい丸穴にオレンジ色のマーカーが順次現れてくるという仕掛けになっています。距離指標の左右に絞り値毎の深度範囲が刻まれていたりするのが一般的ですが、このビジフォーカスと呼ばれる機構はつい絞りリングを回したくなってしまう・・・ちょっと変わった楽しいギミックですね。
 16mmシネ用という事でレンズ口径も小さく、写りに関してはどうなの?という第一印象でしたが、これが意外と・・・


マイクロフォーサーズLUMIX GX1の縦横比(1:1)で撮影したノートリミング画像です。フード等付けていませんが、四隅はしっかりとケラレてしまっています。中心部の画質をピクセル等倍で見てみると・・・


 とてもシャープな写りだと思います。これだけ写ればマイクロフォーサーズでもトリミング前提での撮影が十分出来そうですし、わざとケラレを生かした作品作りに使用するといった方向もありですね。
 ケルンといえばSWITARが人気のようですが、このYVARも十分実力を備えた一本だと思います。スイスの伝統が産んだ名レンズ・・・【KERN-PAILLARD YVAR 16mmF2.8 AR】です。

 コンパクトでかわいいサイズのイバーは小さめボディのカメラによく似合うのですが、PnasonicのLUMIX GX1に装着したらこんな感じになります。


 黒白カラーのレンズは黒ボディのカメラととても相性がいいですね。色、大きさ、重量、操作性・・・なかなかよいコンビだと思います。作例もモノクロのものを2点ほど・・・


 モノクロにすると四隅のケラレも一つの効果として生かせるかも知れませんね。中心部のシャープさと背景のボケ具合が面白いのが特徴です。更にこのレンズは近接側に結構寄れるのも特徴で、目一杯の30cm弱まで寄ってこの画角を生かした画作りも楽しめそうです。


 試し撮りは我が家のワンコをモデルにすることが多いのですが、カメラがあまり好きではないので・・・。おやつで釣りながら飽きないようにササッと撮影を済ませなければなりません。

2012年12月3日月曜日

Bell&Howell LUMAX 1inchF1.9 (C)


 16mmシネカメラ用レンズの【BELL&HOWELL LUMAX 1inchF1.9】(Cマウント)です。
 アルミ地の鏡胴と黒のフード部がシンプルなデザインで、写真でパッと見ただけだと大きいレンズの様にも感じますが、外径35mm長さ33mm程度のコンパクトなレンズです。
 外観の見栄えは派手さのないあっさり系ですが、造りはしっかりしておりアルミ削り出しと思われるリングの感触も悪くありません。


 リングのローレットも細く縦に細かく刻んでいるだけで、やや操作性に劣るかなという印象ですが、グリス交換しトルクが軽くなれば気にならないのかもしれません。小さいレンズほど適度なトルク感に調整しておくことが快適な撮影の為には必要ですね。


 近接側がかなり寄れるのが特徴の一つです。距離表示の最短値は1フィートと印されています。LUMIX GX1にアダプタ装着で撮影したところ25cm程度まで寄れています。マイクロフォーサーズでは四隅が僅かにケラレますが、合焦部はとてもシャープで、色のりも良く、コントラストもしっかりした、如何にも『アメリカ』らしい写りの性能だと思います。
 クローズアップから風景までこの一本で十分こなせる万能選手といった印象の【Bell&Howell LUMAX 1inchF1.9(C)】です。