2014年1月30日木曜日

Leitz Elmar 5cm F2.8 (M)


 開放F2.8の沈胴エルマー 【Leitz Elmar 5cm F2.8(M)】 ですが、同じ沈胴エルマーでもバルナック時代のF3.5エルマーに比べてサイズも一回り大きく重量もほぼ2倍になっています。レンズ前端径が40mm強あるのに対し前玉の開口径は約20mmと小さめで、この差で生まれた前面リングのスペースにレンズ名やシリアルNo.、エルンストライツウェッツラーの刻印が余裕を持って配置されているのが特徴的です。


 M型ライカでバヨネットマウントになったことで設けられたマウント位置合わせの赤丸ポッチは好き嫌いの評価が分かれるデザインですが、精緻な造りと剛性感が感じられる金属鏡胴はライカ絶頂期の魅力をしっかりと現代に伝えてくれています。


 変なクセのないとても自然な描写で、モノクロでも・・・


 カラーでも、素直な写りが得られるのが特徴です。


2014年1月9日木曜日

Leitz Elmar 9cmF4 (L)


 Lマウントの戦前エルマー 【Leitz Elmar 9cmF4】 にズームフード 【FIKUS】 を装着し、【α7】 に付けてみました。ピントリングの径は約4cm、長さも約8cm程ですのでそれ程大きなレンズというわけではないエルマー9cmですが、細身の鏡胴にフードが付くことでぐぐっと突き出てかなりの長身レンズとなります。パッと見はややアンバランスにも見えますが、左手の平でボディを支え細身のリングを操作すると意外にしっくりときて、快適な撮影が可能なコンビネーションです。特徴溢れる旧いレンズを幅広く許容してくれる 【α7】 は、寸法的にもデザイン的にもオールドレンズとのマッチングがとても優れている一台だと改めて感じました。


 フルサイズで焦点距離90mmレンズはポートレート撮影に最適です。開放がF4ですが室内撮影でもこの程度の光量が確保できれば十分で柔らかなボケも味わえる写りです。スレや汚れや薄いクモリも見られるレンズ状態なのですが、この様な撮影条件であればコントラストも十分で戦前エルマー9cmもなかなかの写りだと思います。

2014年1月6日月曜日

ニッコールN オート 24mm F2.8


 アダプターの厚みにより若干間延びしたバランスに見える組み合わせですが、重量バランスや操作面から見た場合にはとても扱いやすいコンビの 【SONY α7】 + 【Nikkor-N Auto 24mm F2.8】 です。
 マイクロフォーサーズ機ではフルにその画角を生かし切れていなかったという消化不良が、フルサイズ機α7とのコンビにより広角系レンズの楽しみが広がりそうです。


 被写体との距離を詰めながら画面全体にワイド感を表現したい場合など、ストレス無くとても使いやすいのがこの24mmレンズです。


 こちらは絞り開放、最短撮影距離(30cm)まで寄っての撮影です。
 この 【Nikkor-N Auto 24mmF2.8】 は初めて”近距離補正機構”を設けることで収差を打ち消し、近接時における周辺部も鮮明な画質を得られるようになったレンズだそうです・・・ニコン公式サイトの『ニッコール千夜一夜物語』に詳しく載っています。

2014年1月3日金曜日

国産Lマウント 周辺光量

 年末に3本続けて紹介した、1950年前後の日本製ライカLマウントレンズの周辺光量について、少しだけ比較テストしてみました。まずはそれぞれ絞り開放でのサンプル写真を・・・

  ■Chiyoko SUPER ROKKOR 45mmF2.8(L)

 
  ■Sankyo Koki W-KOMURA- 35mmF2.8(L)
 
  ■Olympus Zuiko C.4cmF2.8(L)
 
 
被写体も異なり描写の単純比較は難しいところですが、周辺光量だけを着目すると3本共しっかりと低下が見てとれます。”空”のように比較的均一で分かりやすい被写体でなくても、この様に極端な減光が見られるとなると、絞り開放付近での撮影時には少し意識しておく必要がありそうです。では数値的に見てどの程度の減光度合いなのかを確認するために、出来るだけフラットな状態の被写体としてホワイトのペーパーでテストしてみました。


 3本共開放では予想以上に周辺部が落ち込んでおり、絞り込むことで徐々に解消されていく状況がよく分かります。F5.6~F8辺りでほぼ気にならないレベルになっていますが、スーパーロッコール45mmだけは最小絞りF16でも四隅がケラレているように見えることから、イメージサークル自体が他の2本よりも小さいと言えそうです。
 絞り開放時、中央部分を100%とした場合の四隅最周辺部のレベルは、スーパーロッコール45mmが約25%、ズイコー40mmが約20%、Wコムラーが約17%という結果で、焦点距離に相関した減光度合いになっています。ちょっと落ち込み方が大きいのでレンズ本来の特性と言い切ってよいのか、アダプターやカメラ側の影響などがないのか、本来のフィルム機でも同様な結果が現れるのか・・・いくつか気になるところですが、機会があれば今後も他のレンズで同様のチェックをしてみようかと思います。