2014年2月28日金曜日

Carl Zeiss Jena Flektogon 25mmF4 (M42)


 ゼブラ柄でフィルター径77mmの広角レンズ・・・【Carl Zeiss Jena Flektogon 25mmF4(M42)】 フレクトゴンの25mmです。何と言っても巨大な前玉が特徴的で、絞りリング~マウント部が細身に絞られていることでその大きさが更に強調されるデザインとなっています。20mm版の初期モデルもフィルター枠やピントリングの高さに違いはありますが、ほぼ同じ基本デザインの外観を纏っています。オールドレンズ全般に特徴的でユニークなデザインのものが数多く存在し、その見た目の個性が古いレンズに惹かれる一つの要因でもあるのですが、このフレクトゴン25mm(20mm)はそんな中でも特に存在感の際立った一本だと言えそうです。


開放でも十分なコントラストとシャープさを実感出来ています。また以前に紹介した35mmF2.8フレクトゴン同様に近接側にグッと寄れるのも大きな特徴で・・・


・・・最短20cm弱まで寄るとここまでのアップが狙えます。体重2kg程度の小型チワワでこれだけのクローズアップ感が得られますので、中型~大型犬では更に迫力ある画が撮れそうです。ただワンコに寄って撮影する場合にはレンズを舐められたりしないようにちょっと気をつけねばなりませんが・・・。

2014年2月27日木曜日

Leidolf Schacht-Travenar 35mmF3.5


 以前に紹介したライドルフ・ロードマート用標準レンズの 【LEIDOLF LORDON 50mmF1.9】 ロードンに続き、今回は広角系35mmの 【Leidolf Schacht-Travenar 35mmF3.5】 トラベナーです。ロードン50mmF1.9はエナ社製でしたが、このトラベナー35mmはレンズ正面の銘板にも刻まれているようにシャハト社製となります。35mmレンズの割にちょっと大きく見えるかもしれませんが、根元部分の太くなっているところはライカLマウント用アダプターですので、レンズ単体では・・・


・・・この様に鏡胴部分は薄いレンズとなります。後玉部分が約15mm飛び出ているので全長約34mmに対し半分近く張り出している構造となっています。ローレットが刻まれている薄いリングが二つ見えますが、前側がピントリングで根元側が(スピゴット式マウント)レンズ固定用リングです。レンズ最前端に設けられた黒いフィルター枠部分が絞りリングとなっており、とても細いため操作性が良い方ではありませんが見た目にはすっきりとシンプルなデザインに仕上がっています。アダプターを介してライカLマウントになるわけですが、距離計連動はありませんのでバルナックライカに付けてもピントは目測合わせとなります。


同じ35mmのシュナイダー・クセノゴン(L)はピントのピークがとても分かりやすいレンズでしたが、このトラベナーはクセノゴンに比べるとややピント合わせをしづらい感があります。と言うのもまずピントリング自体がとても細くレバーも付いていないという点が一つ、そしてヘリコイドの回転角が大きい(約320度くらい)という点です。レンズ自体のシャープネスが起因しているというよりも操作性の点でピント合わせのしやすさに差が出ているように感じます。


 シングルコートのレンズですが順光条件では色のり、コントラスト、シャープネスいずれも十分な描写を見せてくれていると思います。


 こちらのカットは周辺光量の落ちが見られますが、発色は自然でとても好印象です。

2014年2月24日月曜日

Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.4 (M42)


 ”オールドレンズ”と呼ぶにはちょっと若すぎるでしょうか・・・現代的なデザインを纏った 【Carl Zeiss Jena Flektogon 35mmF2.4(M42)】 後期型フレクトゴン35mmF2.4です。【SONY α7】 との組み合わせもまるで純正のキットレンズかのようにフィットしています。これだけ見た目のバランスが良いと操作面も当然のこと違和感なく扱うことが出来ますので、撮影も自ずとサクサクこなしてしまう快適コンビとなります。また外観や操作面だけでなくマルチコーティングが施されているという点もこのレンズの大きな特徴で、写りに関しても現代的なキレを期待してしまいます。


 画面中央部に置いて前ボケとした遊具の黄色い取っ手などは・・・若干陰になって明るさ不足のせいもあるかもしれませんが、ややくすんだ発色でイメージよりも渋めの描写になってしまいました。


 画面右下の床タイルのハイライト部分が一部白飛びしてしまいました。こんな所がもう少し粘ってトーンが出てくれたらとも思いますが、コントラストは良好でピント部分も十分にシャープな描写が得られています。


 近接側に寄れるのも特徴の一つです。これでも最短距離(20cm)にはまだまだ余裕がありますので、この椿の花が画面一杯となるくらいまでは十分に寄れてしまいます。

2014年2月23日日曜日

Carl Zeiss Jena Biotar 58mm F2 (M42)


 前々回~前回にかけて 【Industar-50】 【MIR-1B】 と黒鏡胴レンズの紹介が続いていましたので、今回は白鏡胴の 【Carl Zeiss Jena Biotar 58mmF2(M42)】 ビオター58mmです。黒ボディに白レンズという組み合わせはとても好きなコンビなのですが、M42-NEXマウントアダプターの厚みが結構あるせいか、又はアルミ地の質感のせいなのでしょうか、ちょっとアンバランスな印象を抱いてしまいます。そこで、ボディをもっとシンプルな 【LUMIX GX1】 に変えてみたところ・・・


 どうでしょうか・・・同じ黒ボディですがレンズの存在感がより際立って個人的にはこちらの方が見た目の相性は良いように感じます。
 現代のAFレンズは外観のデザインに大きな差が無く性能や機能面だけに注目してしまいがちですが、金属製MFレンズの場合は外観のデザインや仕上げ具合に加え手に触れたときの質感や操作感など色々な要素が絡まって”写り”以外でも楽しめてしまう・・・オールドレンズの大きな魅力ですね。ボディとの相性はさておきビオターの写り具合はというと・・・


 開放から一段ほど絞ったサンプルですが・・・キレの良さやシャープさを追求するよりも柔らかさを生かす描写に向いているように感じます。


 絞り開放からピント面はそこそこシャープなのですが、前後はとても甘いというか、被写界深度が単純に浅いというだけではない柔らかさ感じさせてくれる描写です。

2014年2月21日金曜日

MIR-1B 37mmF2.8 (M42)

 
 37mmという焦点距離がちょっと珍しいM42マウントの【MIR-1B 37mmF2.8(M42)】ミール1Bです。黒一色のデザインはいたってシンプルなのですが、大きく刻まれたピントリングのローレット加工が精悍なイメージを醸し出しています。見方によっては無骨にも見えるデザインですが、操作感はなかなか良好でロシアンレンズにありがちなチープな印象はあまり感じない一品です。プリセット機構を持った絞りのため、絞り値設定リングと絞り開閉用リングが設けられており、ファインダーを覗いたまま操作するには少し慣れが必要かもしれません。


 最短距離が約70cmとM42マウント35mmクラスの広角系レンズとしては近接側に寄れない部類のレンズです。


 気になる歪みも感じられず自然な描写が得られています。


 コントラスト、シャープネス共にしっかりとした写りだと感じます。

2014年2月20日木曜日

Industar-50 50mm F3.5 (L)~その2

 インダスター50【Industar-50  50mmF3.5(L)】の続きです・・・


 F8まで絞っての遠景描写は解像感も十分に感じられ、いたって素直な写りだと思います。


 こちらは絞り開放での1カットですが、周辺がかなり落ちているように見え、全体的に黄色味がかった色調がレトロな雰囲気の描写となっています。


 シャープネスはしっかりと青空のトーンも普通に再現されます。
 絞り込んでの順光条件では標準レンズらしい素直でクセのない写りが得られ、色温度が低めの斜光や半逆光の光線状況でちょっと面白い描写が得られる・・・オールドレンズならではの面白さを持った一本と言えるかもしれません。

2014年2月14日金曜日

Industar-50 50mm F3.5 (L)


 旧ソ連ロシア製のLマウント(M39)レンズ、インダスター50【Industar-50 50mmF3.5/KMZ】の黒鏡胴モデルです。以前に紹介した【Industar-61 53mmF2.8/FED】と同様、このレンズも鏡胴の外径の割にレンズ開口径が随分小さく、銘板に印刷されたキリル文字と相まって独特の雰囲気を漂わせている一本です。
 
 
 アルミ鏡胴で軽量な造りであるのに加えて、トイカメラのレンズの様にも見える外観デザインなのですが、写りに関してはなかなかの実力を備えていると言えそうです。この様な室内の安定した光源下ではかなりシャープな描写を見せてくれます。
 
 
 雪がちらつく曇天の下、近距離の被写体では・・・しっかりとした解像感を得られています。遠景の描写、晴天下での逆光~半逆光、夜景など色々な条件での写りはどうなのか・・・興味が出てくる一本です。 

2014年2月13日木曜日

Schneider-Kreuznach Xenogon 35mm F2.8 (L)


 シュナイダー製のライカLマウントレンズ【Schneider-Kreuznach Xenogon 35mm F2.8(L)】クセノゴンです。ズマロン35mmF3.5(L)前期型と同様にコンパクトなサイズのレンズですが、こちらは一段明るいF2.8となります。写りはズマロンよりもシャープで開放からキレのある描写を見せてくれるという印象です。そんな特性もあってかミラーレス一眼でのピント調整はとてもし易く、適度なトルク感でノブの付いているリングと合わせて快適な撮影が可能です。


 こちらのサンプル画像は、若干シャドーが浮き気味かなという印象ですが、自然なトーンとボケは味わえていると思います・・・が、右下部分に指が写り込んでしまいました。コンパクトなレンズ全般に言えることですが・・・絞り操作ピント操作をしてちょっと気を抜くとこんな失敗がありますね。フードを付けていればきっと回避できたと思いますが・・・。


 こちらは小雪ちらつく中でフード無しのサンプル画像です。絞り開放で逆光条件ですのでもっと甘い描写になるかと思われましたが、フォーカス部分のシャープさはしっかりと感じられるところがクセノゴンの特徴の一つなのかもしれません。