2013年2月26日火曜日

ELGEET 1 1/2inchF3.5 CINE-TEL (D)


 M42マウントレンズの紹介が数回続いていましたが、今回はDマウントレンズの【ELGEET 1 1/2inchF3.5 CINE-TEL】エルジート38mmです。(8mmシネカメラ用)DマウントレンズはPENTAX Qとの組み合わせとなるのですが・・・やっぱり小さいです、PENTAX QもこのELGEETも。以前に紹介した【Cine-NIKKOR 13mmF1.9】よりは大きいものの、外径が約25mmで長さも50mmに満たないサイズですから男の人の親指ほどといった感じでしょうか。


 鏡胴には『MADE IN U.S.A BY ELGEET ROCHESTER,N.Y.』の刻印、9枚羽根の絞りはF3.5~F16、距離目盛はフィート表示、クローム仕上げの外観はいたってシンプルです。


 小さな8mmシネレンズですがケラレも無くそこそこシャープに撮れているという印象です。

2013年2月22日金曜日

Tomioka / AUTO CHINON 55mmF1.4 (M42)


 富岡光学が各社ブランド向けに生産していたレンズの一つ【AUTO CHINON 55mmF1.4(M42)】です。何と言ってもこのレンズの大きな特徴はピントリングが貼り革で巻かれている点です。これまで紹介してきたオールドレンズのほとんどが金属削り出しローレット加工というものでしたので、見た目にもかなり異彩を放っている一品です。更にこの貼り革の前後には鏡面仕上げの細い縁取りが入れられておりちょっとしたアクセントになっています。以前に紹介した【FUJINON.SW 28mmF3.5(M42)】のリングエッジ部にも鏡面仕上げが採用されているのを見ると、レンズの一部に『光り物』を入れるのが当時のデザイントレンドだったのかもしれません。
 見た目には好き嫌いの分かれそうなピントリングですが、実際に触ってみると感触はとても良好です。これは貼り革の触り心地云々と言うよりも、ヘリコイドのしっとりとしたトルク感やガタの無い造りが感触の良さを生んでいるからだと思われます。絞りリングも同様でガタや遊びが無く適度なクリック感ですので、操作という面からすると使い易く軽快に撮影が可能なレンズと言えそうです。


 絞り開放で椿を写したサンプル写真ですが、等倍で見ると花びらに落ちた花粉の粒までしっかり確認出来るのでまずまずの解像感だと思います。大口径レンズですのでボケ具合がどうかも気になるポイントですが、花びらや葉のエッジ部分に見られるように合等部から外れていく箇所の滲み具合所謂二線ぼけが顕著です。二段ほど絞り込むとかなりシャープになりますが、絞り形状が六角形ですので背景の点光源などはしっかりと六角形状になってしまいます。


 F1.4の明るさは光量の不足がちなシーンでは有効です。こういった単純ですっきりとした被写体の場合は背景のうるささも感じることなく、絞り開放の味わいを十分堪能出来るのではと思います。

2013年2月18日月曜日

PENTAX Super-Takumar 55mmF2 (M42)

 今回は最初に試写サンプルを・・・

 シャドー部からハイライトまで自然な階調で表現されている写りだと思います。と言ってもコントラストに欠けるといった甘い感じではなく、シャドーはつぶれずに締まりはあって、ハイライトも飛び過ぎることなくトーンがしっかりと残っており、カメラのダイナミックレンジを有効に生かせるレンズかなという印象です。マイクロフォーサーズに使用するとこのような中望遠的な画角となり、前後のボケも柔らかく、ポートレート写真等にとても良くマッチする一本だと思われます。低価格でこれだけの写りが得られるコストパフォーマンスに長けたそのレンズとは・・・


 ペンタックスのM42マウント【Super-Takumar 55mmF2】・・・タクマーシリーズの標準レンズとしては50mmF1.4や55mmF1.8と共に定番の一本と言えるレンズです。
 この品のレンズキャップは『HONEYWELL PENTAX』となっていることから米国向け輸出品だったと推測されますが、デザインはほぼ黒一色といった構成で見かけ上の大きな特徴も無く、いたってシンプルな外観です。勿論レンズの性能と外観の見た目は関係無いのかもしれませんが、オールドレンズを楽しむという観点からするとやや面白味に欠けるのかなと思っていました。1960年代後半から70年代にかけて相当数の生産本数があるタクマーですので中古市場でもよく目にするため、希少性という点からも除外されがちと思われますが、一つ注目すべき点が・・・。それは以前に紹介したライツ沈胴ズミクロン初期型と同じ、トリウム配合=放射能レンズ?という点です。この?を解決するためにはズミクロンと同様にガイガーカウンターにて測定をしてみるしかありません・・・


 同じタクマーシリーズの28mmF3.5と比較してみることにしました。55mmF2はトリウムレンズの特徴である黄変が現れていますので・・・


 結果はこの通り・・・【55mmF2】はどうやらトリウムレンズということです!ズミクロンとは逆でレンズ後面側で高い数値が計測され、値は2~4μSV/hとほぼ同じレベルが出ています。ズミクロンは前玉側、タクマーは後玉側にトリウムレンズが採用されているという事かもしれません。ズミクロンは解像度の高さが大きな特徴として挙げられており、その性能は実際に試し撮りでも実感することができましたので、このスーパータクマー55mmF2についてもテスト撮影を重ねてみるべきですね。ズミクロンと比較してみるというのも面白いかも知れません。

2013年2月15日金曜日

Carl Zeiss Jena Flektogon 35mmF2.8 (M42)


 今回はカール・ツァイス・イエナのフレクトゴン【Flektogon 35mmF2.8(M42)】です。ピントリングと絞りリングが縞々になった所謂ゼブラ模様と言われるこのデザインが目を引く外観で、M42レンズの中でも定番の一本と言えるかも知れません。この【LUMIX GX1】に装着した写真を見ても分かるようにブラックボディととても良く似合います。レンズとしての造りや仕上げ、質感という点は高級感を感じさせるほどではありませんが、実用するにはとても使い勝手の良い一本だと思われます。その特徴の一つとして挙げられるのが近接性能で、なんと最短18cmまで寄れてしまいます。例えば・・・


 こんな感じでの『物撮り』も楽にこなせますし・・・


 最短18cmまで寄るとここまでのクローズアップも・・・


 ちょっと引いて柔らかい印象のポートレートに仕上げることも可能なこのフレクトゴン・・・デジタル時代、ミラーレス一眼に付けても万能選手の一本になるのではないでしょうか。

2013年2月13日水曜日

OLYMPUS F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8 (M42)


 引き続き国産のM42マウントレンズ・・・【OLYMPUS F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8(M42)】です。黒鏡胴にシルバーの絞りリングというパターンは前回紹介の【FUJINON.SW 28mmF3.5(M42)】と同様で、正面にはネームリング、距離はメートルとフィートが色分けで表記され、ピント位置センター赤印の脇に深度目盛りが直線上に配置・・・、ピントリングの回転方向が逆であるのを除いてほぼ同じ基本デザインです。重量は約180gと重いレンズではありませんが金属の感触がしっかりと味わえるのはこの時代のレンズに共通するところです。
 オリンパスFTL用の交換レンズですので『絞り開放測光』が出来る様にボディ側に絞り値を伝達するピンが本来付いているのですが、この一品は・・・


 ・・・この様にピンを削り取っています。FTL以外のボディやマウントアダプターを介した場合には、このピンがフランジ面と干渉してしまい最後までレンズをねじ込むことが出来ないケースも有るんですね。FTLボディを使わない場合にはいいのですが、FTL愛好者の方には・・・。


 絞り開放での柔らかなボケ具合はとても好印象ですね。

2013年2月8日金曜日

M42マウントレンズ


 マウントアダプター・・・【M42→マイクロフォーサーズ】です。これまではパナソニック製のミラーレス一眼【LUMIX GX1】に似合いそうなレンズということで、バルナック時代のライカLマウントレンズや16mmシネフィルム用Cマウントレンズ等を中心に試してきたのですが、ここでちょっとだけ『M42マウントレンズ』へも寄り道をしてみようと思い、早速調達したのがこのアダプターです。勿論LマウントやCマウントレンズの中にはまだまだ試してみたいレンズが山のようにあるのですが、ここで少しだけ『M42の世界』も覗いてみようという事で・・・


 早速【LUMIX GX1】に取り付けてみました。ガタや遊びは無く剛性感もしっかりありそうなのでまずはOKです。


 レンズの自動絞りピンを押せる『ピン押しタイプ』のアダプターなのですが、実際にレンズを装着してみるとピンの頭がかろうじてアダプター枠にかかっている程度です。(上写真矢印部) 一応今回のレンズではピンは押されておりマニュアルで絞り操作出来ているのでOKですが、他のレンズによってはピン形状や位置のばらつきで押せないものもあるのでは?というくらいギリギリに見えます・・・。


 そして今回最初に試してみることになったM42がこちらの【FUJINON.SW 28mmF3.5】です。開放F値は3.5とやや暗めですが、キズや曇りの無い綺麗な光学系のレンズなので写りは楽しみです・・・試写の結果は次回の記事にて・・・。

FUJINON.SW 28mmF3.5 (M42)


M42マウントの【FUJINON.SW 28mmF3.5】・・・外観はシンプルな黒の鏡胴で、ピントリングと絞りリングのローレットは同じパターンですが黒と白で分けられており、フィルター枠とピントリング前の面取りされた部分が鏡面処理されてキラッと反射するのがアクセントとなっています。絞りは5枚羽根でやや丸みを帯びた五角形を形作り、F3.5~F16まで半絞りでクリックストップが設けられたリングとなっています。
 重量は164gほどなので大きさの割に偏った重量感を感じる事はなく【LUMIX GX1】に装着しても良好なバランスで、外観デザイン的にも違和感のないコンビですね。


 シャドー部からハイライトにかけて落ち着いたトーンで再現されていると思います。シャープネスも十分満足いくレベルです。


 この程度の逆光条件では変なフレアやゴーストもありません。コントラストも保たれているので好印象です。
 このところイメージサークルの小さいシネレンズをマイクロフォーサーズで使っていたせいでしょうか・・・このレンズが画面隅々までクリアに写し込む描写に新鮮な心地よさを感じながらの試し撮りでした。シャープな解像感は撮影時のピント合わせもし易く・・・【M42マウントレンズ】何だかいい感じです。


 モノクロ・・・一部を焼き込んでます・・・


 カラーも自然な再現ですね・・・


 広角28mmでF3.5というスペックなりに自然な雰囲気がとても好印象です・・・

2013年2月4日月曜日

Bell&Howell LUMAX 1inchF1.9 (C)


 以前に紹介したベル&ハウエルのルマックス1インチですが、カメラボディへの装着写真をアップしていなかったので改めて撮ってみました。アルミ地の光沢が黒ボディの上で渋く輝いている姿はなかなか良い雰囲気ですね。こぢんまりとしたサイズ感も【GX1】に丁度いいバランスだと思います。
 カメラ装着写真だけでは寂しいのでいくつか撮影サンプルも・・・以下全て絞り開放(F1.9)です。


 発色の良さと周辺の流れ具合が面白いです。


 ケラレた四隅の具合がよく分かります。


 絞り開放ではピント面がとても薄く深度の浅さが分かります。


 画面中央はとてもシャープですが、周辺はかなり流れます。 

2013年2月1日金曜日

Olympus E.Zuiko Auto-W 25mmF4 (PEN-F)

 冬、家の中では寒そうにしているチワワなのですが、いざ散歩に出ると雪が積もっていても元気に歩き回っている姿を【Olympus E.Zuiko Auto-W 25mmF4】で撮ってみると・・・。


 (1:1)スクエアフォーマットにトリミング、カラー→モノクロ化。


 露出補正+1EV、ホワイトバランスはオート、(3:2)にトリミング。

Bell&Howell SUPER COMAT 0.7inchF2.5 (C)


 0.7インチ(18mm)のとてもコンパクトなCマウントシネレンズ 【Bell&Howell SUPER COMAT 0.7inchF2.5(C)】 です。ヘリコイド付のピント調節可能なレンズですのでスチル撮影にもしっかり使えますが・・・、サイズが小さいレンズですので、ピント絞り共に細いリングを指先でちょこちょこといじくりながら操作するという感じになります。ササッと速写するというわけにはいきませんが、じっくりとレンズの感触を味わいながら・・・『スローフォト』・・・これも古いシネレンズを使う楽しみの一つかも知れません。


 イメージサークルの小ささが分かります。マイクロフォーサーズ(1:1)でもこの様にしっかりとケラレます。よりセンサーサイズの小さいPENTAX_Qシリーズにおすすめです。


 ケルンのスイターやイバーほど中央部のシャープな写りは期待できませんが、色のりがとても良く、コントラストの効いた画が特徴です。
 街歩きなどしながら気に入ったモノやシーンを ”数秒~数十秒のムービー撮影” なんていうのにも合っているかもしれません。スナップフォトならぬ 『スナップムービー』にこのレンズを・・・。