2014年3月30日日曜日

MIR-20M 20mmF3.5 (M42)


 M42マウントの超広角系と言えば・・・以前に紹介したフレクトゴン25mmも前玉の大きさとゼブラ模様のリングが相まってかなりの存在感を放っているレンズでしたが、今回の旧ソ連(KMZ)製 【MIR-20M 20mmF3.5(M42)】 ミール20mmもそれに負けず劣らず迫力ある一本です。何と言っても前玉部分(ピントリング部)の外径が約90mmもあり、ソニーのα7に付けて真正面から見るとペンタ部の『SONY』ロゴが完全に隠れてしまうという寸法なのです。サイズだけでなく重さも約460gとかなりずっしりくる重量感で、フレクトゴン25mmと比べても140gほど重い値となっています。ただ大きく重いだけではなく造りも相当しっかりとした印象で、それはピントリングや絞りリングの操作感にもはっきりと現れています。ガタが少なく剛性感が感じられるガチッとした造りはチープさが排除され、ある意味でこれまで抱いていたロシアンレンズの印象を変えてくれるとても好感触なレンズと言えそうです。


 F8辺りに絞って・・・『エドヒガン桜』です。このレンズはマルチコート化される前の前期型ですのでこの様な条件はやや厳しいかと思いますが、この程度のゴーストでまずまず抑えられていると見てもいいのかもしれません。


 開放から一段絞ってF4での『ワンコ』です。近接側は最短18cmまで寄れます。左右下部に放射状の流れが見られますが、開放付近でもこの様な条件では周辺光量低下も目立ちません。

2014年3月19日水曜日

コムラー 35mm F2.8 (L)


 三協光機のライカLマウントレンズ 【KOMURA- 35mmF2.8(L)】コムラー35mmです。以前に紹介した 【W-KOMURA- 35mmF2.8(L)】と同じスペックなのですが、今回の一本はピントリングが白黒のゼブラ模様となっているタイプです。また距離表記がこちらはフィートで刻まれており、ヘリコイドの回転角は∞から最短まで約180度と大きくなっています。(W-KOMURA- は約90度でした。) これによりピント合わせの感覚が随分違ってきます・・・W-KOMURA-は素早いピントの追い込みが可能でしたが、一方こちらのKOMURA-はピントの微調整がとてもし易くなっています。どちらもヘリコイドの操作感や絞りのクリック感は上質で造りの良さが現れているレンズです。


 繊細な描写という感じではありませんが、かなり高コントラストで線のしっかりした写りという印象を受けます。


 例によって開放側での周辺光量不足が顕著に現れています。3~4段絞って解消されるといったレベルです。


 シャドーが浮きすぎずハイライトも飛び過ぎず中間のコントラストがしっかりと・・・モノクロ表現にも向いているかもしれません。

2014年3月14日金曜日

オリンパスPEN-F用レンズとフルサイズ~その2

 ハーフ判カメラ用レンズとフルサイズミラーレスα7の組み合わせ・・・前回の標準38mm【F.Zuiko 38mm F1.8】に続いて今回は広角系の25mm【E.Zuiko 25mm F4】です。広角系はイメージサークルの狭さがより目立ってくると予想されますが・・・


・・・四隅の光量不足が38mmよりも顕著に現れています。ただ画面中央部のシャープネス、コントラストはかなりしっかりとした描写を見せてくれています。


 最小(F16)まで絞ると・・・(ハーフ判のイメージエリア=赤枠内は十分にカバーされていますが)周囲は完全に潰れケラレてしまっています。ケラレを生かした画作りを目指すのもありかと思いますが、ここまでケラレると使い勝手が良いとは言えませんね。となると、マイクロフォーサーズとの組み合わせということに・・・。では、パナソニック製【LUMIX GX1】とのコンビで撮影したものを見てみると・・・


・・・ハーフ判よりも狭いイメージエリアですので画面全域でクリアな描写が味わえています。画角的には狭くなってしまいますがPEN-F用の広角系レンズはフルサイズよりもマイクロフォーサーズとのコンビが好相性ということになりそうです。

2014年3月12日水曜日

オリンパスPEN-F用レンズとフルサイズ

 オリンパスのハーフ判一眼カメラ【PEN-F】用レンズをフルサイズ【SONY α7】で使用した場合の写りってどんな感じになるのか? ハーフ判用のレンズですのでイメージサークルが小さく、フルサイズで使用した場合には周辺部の乱れが現れるのだろうと想像されますが、それがどの程度のものなのか? 16mmシネレンズをマイクロフォーサーズ機で使用した場合のように、周辺部のケラレや収差がはっきりと現れるのか?・・・ちょっと楽しみな組み合わせです。PEN-F用レンズ群は広角20mmから望遠800mmまで15本以上のラインナップがあるのですが、そんな中でも最もよく見かけるスタンダードなレンズ・・・


・・・広角系の25mm 【E.Zuiko 25mm F4】 と 標準系の38mm 【F.Zuiko 38mm F1.8】 の2本です。コンパクトでシンプルなデザインのレンズですので、α7との相性も良く・・・

・・・見た目にも実際に手にした感じも違和感なく快適な撮影が出来るコンビです。こちらの38mmF1.8はPEN-FT用ですので絞りリングには絞り値ではなく0~6の数字が刻印されている点が25mmF4と異なりますが、その他はほぼ同じ大きさでほぼ同じデザインですので2本共バランスの良いコンビとなります。では写りに関してはどうか、まずは【F.Zuiko 38mm F1.8】から・・・


 絞り開放で撮影した『梅』ですが・・・開放F1.8のこの38mmレンズは被写界深度が浅く、近接側に寄ってのピント合わせはかなりシビアになります。背景のボケ具合は・・・38mmにしては大きなボケが得られていると感じますが、柔らかさよりもややざわついた印象もうけます。また周辺の光量低下がしっかりと現れていますが、思ったほどイメージサークルの小ささを感じることはありません。ただ画面右上部分に同心円方向に階調の段差が現れているように見えるのが少し気になります。


 開放から一段絞った『ワンコ』です・・・こちらも四隅の光量低下が見られますがピント面はとてもシャープです。ハーフ判だと概ね赤枠ぐらいの範囲となるのでレンズ性能としては十分余裕のあるイメージサークルを持っていたことがよく分かります。


 画面下部に現れている同心円方向の流れなどを見るとハーフ判レンズということを感じてしまいますが、当初思っていたほどの乱れではなく被写体によっては普通に使えてしまう印象です。
 十分なシャープさとコントラストを備えた【F.Zuiko 38mm F1.8】でしたが、【E.Zuiko 25mm F4】の方はどんな感じなのか・・・次回へと続きます。