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2014年8月22日金曜日

Lマウント35mmF3.5の3本~その2

 ”オールドレンズ”それも広角系の”35mm”で撮影する事はあまり無いと思われる被写体、それは・・・「航空機」です。それも「飛んでいる航空機」を狙ってみようというわけです。35mmという焦点距離ですのである程度寄らないと画にならないので、着陸時のジェット機を間近に見ることが出来る航空機撮影の名所【大阪伊丹空港の千里川土手】に行ってきました。
 大型機が頭上をかすめるように着陸してくる瞬間はかなりの迫力で、これまで航空機写真の名作を数多く生み出してきたスポットというのがよく分かります。この日も何名かの航空ファンとおぼしき方が撮影に来られており、300~400mmクラスの単焦点と70-200mmあたりのズームを2台体制にして臨むという形が撮影スタイルの定番となっているようです。
 陽が落ちるにつれて滑走路のライトが輝き出すとかなりいい雰囲気の光線状況となるので、長いレンズで着陸間際のシーンを狙ってみたくなります。やっぱりAFでピントがガチッと食いついてくれる最新システムは羨ましいなと横目で見ながら、こちらは半世紀以上前のオールドレンズでどんな一枚が撮れるのかチャレンジです・・・。
 まずは【Wコムラー35mmF3.5(L)】から・・・、
 
 
 以前に紹介した【Wコムラー35mmF2.8(L)】でも現れていた”絞り開放付近での周辺光量不足”がこのレンズでも顕著に出ており、F8あたりまで絞り込んだこのカットはそれ程目立ちませんが・・・、四隅を見るとレベルが落ちていて、周辺部にマゼンタかぶりも出ているように感じられます。コントラストは3本の中でも一番しっかりしています。
 次は【Elmar 3.5cmF3.5(L)】・・・、
 
 
 ノンコートレンズらしいと言うのか、エルマーらしいと言うのでしょうか、中間調のコントラストがやや抑え気味でいかにもオールドレンズといった印象の写りです。
 最後に【W-NIKKOR・C 3.5cmF3.5(L)】・・・、
 
 
 前回の記事にも書いたとおり中玉の薄いクモリの影響がしっかりと出てしまっています。ピクセル等倍に拡大してみるとシャープネスはカチッとして解像感も十分得られているので、尚更クモリによるコントラスト低下が残念です。特にこの様な被写体ではミスマッチという写りになってしまいました。
 今回は広角オールドレンズで「航空機」を撮るというチャレンジでしたが、上記3枚を見ても分かるようになんだか似通ったものしか撮ることができず、3本の試し撮り比較としてもちょっと無理がありました。着陸時とはいえ頭上近くをかなりの速度で通過していく機体をしっかりと押さえるにはもっと練習が必要で、色々なイメージを膨らませておく必要がありそうです。直近まで近づく大型ジェット機を真下から狙うと35mmレンズでも画角からはみ出るサイズとなるので、もっと広角レンズでもいけそうですし、飛行機プラスもうワンポイント別の要素を組み合わせた一枚を狙ってみるのもよさそうです・・・。鉄道写真ファンの”撮り鉄”に対し、飛行機写真ファンは”撮り空”?とでも言うのでしょうか、はまってしまう気持ちがよく分かります。「航空機写真」ってほんと面白い、次回機会があればまた撮影に行ってみたいスポットとなりました。

2014年8月21日木曜日

Lマウント35mmF3.5の3本


 ライカLマウントの35mm、開放F3.5の3本を並べてみました。
  【W-NIKKOR・C 3.5cmF3.5(L)】
  【W.KOMURA 35mmF3.5(L)】
  【Elmar 3.5cmF3.5(L)】
 時代的にはエルマーが1930年代、WニッコールとWコムラーは1950年代ですので少し世代が異なりますが、各々が特徴的なデザインで大きさも少しずつ異なり、操作性や描写の違いを比較してみるのは面白そうな3本です。


 真横から見てみると大きさ、デザインの違いがよく分かります・・・なんと言ってもエルマー(右)の薄さが目立ちます。エルマー(右)とWニッコール(左)にはピントレバー兼無限遠ロックが設けられていますが、ベースプレートの厚みが2mm程と比較的厚く、無限遠を解除するときにピンがフランジ面に当たることは無いので、逃げの無いカメラボディやマウントアダプターに装着しても無限遠への出し入れは2本ともスムーズに行うことが出来ます。
 Wコムラー(中)のデザインもユニークですね・・・ブラックでペイントされたピントリングと前後のクロームメッキがとても綺麗な仕上げとなっています。フィルター枠になっている先端側のクロームメッキ部が絞りリングなのですが、エッジ部分に細かなローレットが刻まれているだけなので絞り操作時にちょっと指が滑ることがあります。どうやら専用のフードがあるようでこれを装着することを前提とした設計だったのかもしれません。
 Wニッコール(左)は安定感のあるデザインでこの3本の中では一番重く、手元のスケールで実測してみたところ重量は、Wニッコール:152g>Wコムラー:147g>エルマー:111gでした。


 正面から見てみても三本三様で・・・前玉の径はWニッコールとエルマーは約10mmと小さく、1950年代のWニッコールとWコムラーはコーティングありとなっています。レンズの状態は・・・小さな汚れとスレはあり、3本共に年代なりといったところでしょうか。Wニッコールが中玉にやや薄いクモリが見られ、エルマー、Wコムラーに比べるとやや抜けが悪いかなという印象です。
 ちょっと趣の異なるこの3本ですが、それぞれどんな描写を見せてくれるのか楽しみです。試し撮り結果は次回に・・・。オールドレンズでは積極的に撮らないかなと思われる被写体を選んでみました・・・。

2014年3月19日水曜日

コムラー 35mm F2.8 (L)


 三協光機のライカLマウントレンズ 【KOMURA- 35mmF2.8(L)】コムラー35mmです。以前に紹介した 【W-KOMURA- 35mmF2.8(L)】と同じスペックなのですが、今回の一本はピントリングが白黒のゼブラ模様となっているタイプです。また距離表記がこちらはフィートで刻まれており、ヘリコイドの回転角は∞から最短まで約180度と大きくなっています。(W-KOMURA- は約90度でした。) これによりピント合わせの感覚が随分違ってきます・・・W-KOMURA-は素早いピントの追い込みが可能でしたが、一方こちらのKOMURA-はピントの微調整がとてもし易くなっています。どちらもヘリコイドの操作感や絞りのクリック感は上質で造りの良さが現れているレンズです。


 繊細な描写という感じではありませんが、かなり高コントラストで線のしっかりした写りという印象を受けます。


 例によって開放側での周辺光量不足が顕著に現れています。3~4段絞って解消されるといったレベルです。


 シャドーが浮きすぎずハイライトも飛び過ぎず中間のコントラストがしっかりと・・・モノクロ表現にも向いているかもしれません。

2014年1月3日金曜日

国産Lマウント 周辺光量

 年末に3本続けて紹介した、1950年前後の日本製ライカLマウントレンズの周辺光量について、少しだけ比較テストしてみました。まずはそれぞれ絞り開放でのサンプル写真を・・・

  ■Chiyoko SUPER ROKKOR 45mmF2.8(L)

 
  ■Sankyo Koki W-KOMURA- 35mmF2.8(L)
 
  ■Olympus Zuiko C.4cmF2.8(L)
 
 
被写体も異なり描写の単純比較は難しいところですが、周辺光量だけを着目すると3本共しっかりと低下が見てとれます。”空”のように比較的均一で分かりやすい被写体でなくても、この様に極端な減光が見られるとなると、絞り開放付近での撮影時には少し意識しておく必要がありそうです。では数値的に見てどの程度の減光度合いなのかを確認するために、出来るだけフラットな状態の被写体としてホワイトのペーパーでテストしてみました。


 3本共開放では予想以上に周辺部が落ち込んでおり、絞り込むことで徐々に解消されていく状況がよく分かります。F5.6~F8辺りでほぼ気にならないレベルになっていますが、スーパーロッコール45mmだけは最小絞りF16でも四隅がケラレているように見えることから、イメージサークル自体が他の2本よりも小さいと言えそうです。
 絞り開放時、中央部分を100%とした場合の四隅最周辺部のレベルは、スーパーロッコール45mmが約25%、ズイコー40mmが約20%、Wコムラーが約17%という結果で、焦点距離に相関した減光度合いになっています。ちょっと落ち込み方が大きいのでレンズ本来の特性と言い切ってよいのか、アダプターやカメラ側の影響などがないのか、本来のフィルム機でも同様な結果が現れるのか・・・いくつか気になるところですが、機会があれば今後も他のレンズで同様のチェックをしてみようかと思います。

2013年12月26日木曜日

Wコムラー 35mmF2.8 (L)


 三協光機のライカLマウントレンズ 【W-KOMURA- 35mmF2.8(L)】 Wコムラー35mmです。Wコムラー35mmにはピントリングとフィルター枠が段付きとなっているF3.5のモデルもありますが、こちらはF2.8バージョンです。外観は寸胴形状となりF3.5モデルよりもシンプルに見えますが、先端のフィルター枠と被写界深度目盛りのリング部が光沢クロームメッキ仕上げなので、単なる黒鏡胴レンズとは違う見栄えのするデザインになっています。オレンジカッパー色のマウント部を持った 【α7】 とよく似合うコンビだと思います。
 ヘリコイドの回転角が90度なので、ピントの追い込み操作は素早く行うことが出来ます。先端側に配置された絞りリングは若干細いのでつまみにくく感じることもありますが、カチッカチッと決まるクリックの感触は良好で軽快な撮影が可能なレンズです。


 中央部は十分なシャープネスとコントラストを感じますが、周辺部の荒さは見られます。


 前回紹介した 【ズイコー4cmF2.8(L)】 同様、このレンズも周辺部の光量低下がはっきりと現れています。2段ほど絞ると解消してきますが開放での減光度合いはかなりあり、イメージサークルの小さいシネレンズのように感じる程です。