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2015年11月13日金曜日

Carl Zeiss Tessar 50mm F2.8 (M42)


 M42マウントのテッサー【Carl Zeiss Tessar 50mmF2.8】です。


 ピントリングのローレット部とフード枠部分にはクロームメッキが施され、鏡胴部の黒ペイントとメリハリの効いたデザインですね。フード枠にネジ切りは無くバヨネットタイプの専用フィルター&フードが装着出来る溝が切られています。


 東独イエナ製にもいくつか外観の異なるテッサー50mmF2.8が存在しますが、今回のレンズはマウント側を見ると『Lens made in Germany』の刻印がある西ドイツ製となります。










2015年1月27日火曜日

富岡光学 AUTO CHINON 55mm F1.2/F1.4 (M42) 


 後玉の縁が自動絞りピンを避けるように微妙なカーブを描いて削られているのが特徴の富岡光学製【AUTO CHINON TOMIOKA 55mmF1.2 (M42)】です。開放F1.2という大口径を実現するために後玉のサイズをマウント径ギリギリまで大きくする必要があったことからこのような「ピンの箇所だけ後玉を削る」という大胆な発想が生まれたようです。
 富岡製M42マウントの55mmには以前にも紹介した開放F1.4というスペックのレンズもありますので、少し比較しながら見ていこうと思います。


 2本共【AUTO CHINON】ブランドですが、F1.2の方は『TOMIOKA』 銘が入っているタイプとなります。絞りのオート/マニュアル切り替えレバーやピントリングの幅など若干寸法が異なる箇所もありますが、外装の基本的なデザインはほぼ共通です。外観面で一番特徴的と言えるのはピントリングの『貼り革』かと思います。一見するとピント操作時に滑りそうなイメージがありますが、均一で適度なトルク感ですので使い勝手はとても良好なものです。ただこの貼り革は・・・


・・・このように収縮して継ぎ目が開いてしまっている個体も多いようです。


 後玉側から見てみると口径の違いがよく分かります。レンズ径はF1.4の約29mmに対し、F1.2は約35mmほどあって、自動絞りピンの配置を考えるとF1.4の後玉径でギリギリかなという寸法です。F1.2の後玉を入れ込むためにレンズを一部カットせざるを得なかったのが見て取れます。また無限遠側ではマウントネジ端よりも後玉レンズ面が飛び出ていますので、うっかりマウント面を下にして置いてしまわないよう気をつけないといけません。さらにF1.2の方はマウントアダプターを使用する際にも注意が必要で、『ピン押しタイプ』のアダプターだと後玉可動部とピン押し板が干渉してしまいます。無理矢理近接側だけで使用することも出来ますが、うっかりピントリングを無限遠側に回しすぎてぶつけてしまう恐れもありますのでピン押しでないタイプのアダプターを使用する方が賢明かと思います。

 次に気になるのがF1.2の後玉の色です。見る角度によって飴色というか茶褐色とでも言えそうな状態にまでしっかりと色が着いてしまっています。以前にもご紹介した初期型の沈胴ズミクロンスーパータクマーと同じようにアトムレンズ?なのか検索してみたところ、どうやらこの富岡製レンズにもトリウム配合のタイプが存在するようですので、早速簡易型の放射線測定器で線量を計測してみることにしました。まずはF1.4の方から・・・


・・・後玉側、前玉側共に目立った数値は計測されませんでした。ほぼ周辺環境と変わらないというレベルです。一方、変色がかなり進んでいるF1.2の方は・・・


・・・後玉側で非常に高い数値が出ています。初期型の沈胴ズミクロンは2~5μSv/hというレベルでしたが、このF1.2は10μSv/h以上という値が計測されています。後玉部が張り出している構造上、測定器にほぼ密着させられる位置で計測できたのも高い数値が出ている要因の一つかもしれません。いずれにしてもF1.2の方はトリウム配合レンズが使用され、経年による黄変が発生していることが分かりました。
 ではこの黄変が写りにどの程度影響してくるかを白色のペーパーを撮影し見てみることとします。ホワイトバランスは黄変の現れていないF1.4レンズで合わせて5200K固定、ISO400、シャッター速度1/250、絞りF4と各設定値を固定にして撮影し、画像の中央部を切り出してみると・・・


・・・一目瞭然です。F1.2レンズの黄変の影響は顕著で大きくバランスが崩れています。これではカラーフィルム撮影にはちょっと使いづらいですし、デジタル撮影でもホワイトバランスに気を遣う
ことになります。またヒストグラムを見るとカラーバランスだけではなく輝度レベルもかなり落ち込んでおり、同一絞り値でも露出アンダーに振れていることが分かります。となると開放F1.2というスペックですが現状ではもうこの明るさは得られていないということになりそうです。ちょっと残念な気もしますが開放のボケ味は大口径ならではのものが味わえると思いますので、次は絞りによる描写の変化を見てみたいと思います。


 浅い被写界深度ととても柔らかなボケ味、それに周辺部の光量低下が相まって幻想的な雰囲気を味合わせてくれます。


 数段絞るだけでガラッと描写は変化しシャープさが際立ってくるのが、大口径レンズの面白いところかもしれません。ではF1.2レンズとF1.4レンズでは開放の描写にどれ程の差があるのかという点も気になるところです・・・


 F1.2ではハイライト部のエッジに色滲みが見られ、周辺部像流れの形状も異なります。前後ボケの大きさはF1.2の方が大きく柔らかい印象が見て取れます。合焦部は両レンズ共とても薄い範囲なのですが鮮鋭感はF1.2の方がやや上回っているように感じます。以下開放でのサンプルです。




  ハイライト部に若干滲みが出るものの、コントラストの低下がほとんど見られないのが好印象で、周辺減光と大きなボケを生かし大口径レンズらしい画作りを楽しめる1本がAUTO CHINON TOMIOKA 55mmF1.2 (M42)だと思います。

2014年10月29日水曜日

Fish-eye-Takumar 18mm F11 (M42)


 前回に引き続き今回もM42マウントの超広角レンズ・・・【Fish-eye-Takumar 18mm F11 (M42)】フィッシュアイ・タクマーです。


 ヘリコイドは設けられていない固定焦点タイプで、リングは絞りのみ、外観デザインに特に目立つ特徴も無く、とにかく薄いレンズです。これほど『パンケーキ』という愛称がふさわしいレンズもなかなかありません。寸法は最大径が約58mm、最大長約20mm、フランジ面からレンズ先端までの長さは約12mmしかありません。M42マウントのフィルム一眼ボディに装着した場合はこの薄さが相当目立つと思われますが、ミラーレスのSONY α7に付けた場合・・・


・・・真正面から見ただけでは、直径の割に小さな瞳のレンズという印象だけですが・・・


・・・正面以外から見ると、アダプターの厚みがかなりあるので何だか普通の寸胴レンズに見えてきます。また18mmの画角とこのアダプター厚からすると内面反射等による影響が出やすい寸法関係になっていそうな気もします。

 
 とにかくレンズ単体ではとても薄いフィッシュアイ・タクマーですが、固定焦点であるという点とF11という明るさからして、実際の使用は日中の屋外で遠景を狙うというシーンに限定されてくるのかもしれません。 

 
 前回のミール20mmは歪曲のほとんど目立たない超広角でしたが、フィッシュアイ・タクマーはその名のとおり魚眼ならではの歪み具合です。遠景を狙ってもF11ではかなり甘さを感じる描写で、F32まで絞り込んでいくとそれなりにシャープになってきますが、周辺部は荒くエッジにはカラーフリンジが発生しています。また絞り込むことでレンズやセンサーに付着したゴミがしっかりと映り込んでしまう点も要注意です。
 

  近接側の撮影はフォーカスの限界に加え光量的にもちょっと厳しいですね。
 

  どの絞り値でも四隅にケラレが見られますが、もしかするとレンズの特性というよりもアダプターでケラレている可能性もありそうです。
 
 高精細でシャープな画質は期待出来なくても、魚眼ならではの歪曲を利用した構図と被写体を選んで、ブレや荒れの世界で楽しんでみるのも、フィッシュアイタクマーの生かし方としてはありかもしれません。

2014年10月26日日曜日

MIR-20M MC 20mm F3.5 (M42)


 七色に輝くコーティングの反射光を見ていると、レンズの奥に吸い込まれていきそうな感覚に陥る巨大な前玉の超広角レンズ【MIR-20M MC 20mmF3.5(M42)】ロシア・KMZ製のミール20mmです。
 このミール20mmというレンズは1970年代初頭には世に出ているようで、以前紹介したコーティングが施されていないタイプが前期型となります。今回のマルチコートMCタイプは後期型で、なんと近年まで製造が続いているとの事。1930~60年代ならまだしも、20~21世紀にまたがって40年以上に渡って同一のレンズ設計のまま生産されているという点は驚きです。

 
 前期型と後期型ではコーティングの有無だけでなく、鏡胴やリングのデザインも異なり、こちらの後期型は若干外径が小さくなっています。前期型はピントリング部の最大径が約90mmあったのに対し、後期型は約80mmと10mm程シュリンクされています。ただこの後期型はピントリングの造形が”ブルドーザーのキャタピラーの様”な、かなり厳ついデザインとなっていますので、見た目だけではこちらの方が重量級に見えるかもしれません。ところがリングやフード部分など樹脂製となっている部材も多く、質感や操作感に関しては総金属製である前期型の方に軍配が挙がりそうです。
 
 
 レンズ前面にフィルター枠が設けられていない点もこのミール20mmの特徴で、後玉側に付ける専用のフィルターが用意されています。枠は樹脂製でネジ径が約28mmの小さなフィルターですので、モノとしてはおまけ程度の品質です。これを実際に装着すると・・・
 
 
・・・この様にピッタリとはまります。ただネジ切りが浅いのでカメラ本体へ装着した後にフィルターだけ脱落してしまわないようしっかりと装着確認をしておく必要がありそうです。
 
 
 
 
 
 
 写りに関しては高いコントラストの描写が好印象で、ノンコートの前期型とは明らかに違いとして現れてくるポイントだと思います。ただ細部を見てみると繊細さはあまり感じられず、線がしっかりとした描写であるという特徴は前期型と同様です。
 引いてワイドに情景をとらえる広角本来のアングルから、最短18cmまでグッと寄ってのマクロ的撮影までこなし、歪曲も十分に抑えられている、そんな万能性を持つレンズが【MIR-20M MC 20mmF3.5(M42)】です。
 


2014年9月16日火曜日

Meyer-Optik Gorlitz Domiplan 50mm F2.8 (M42)


 マイヤー・オプティック・ゲルリッツ製M42マウントの【Domiplan 50mmF2.8(M42)】ドミプランです。最短撮影距離は0.75mとあまり近接側に寄れない部類のレンズです。そこで・・・


 マクロチューブを介して・・・


 ・・・寄ってみました。レンズが顔の前に来るのを嫌がっていたワンコですが、次第に慣れてきたのか?疲れてきたのか?鼻先の数cmまで近づいて撮った1カットです。


 マクロチューブを外して最短撮影距離での1カットです。絞り開放ではレトロな雰囲気で、特に画面周辺部はゆるい描写です。

2014年6月15日日曜日

HELIOS-44M-4 58mmF2 (M42)


 M42マウント【HELIOS-44M-4 58mmF2(M42)】ヘリオス44Mで・・・

・・・ヒメイワダレソウ(リピア)の上で寝転ぶワンコをパチリ!
 58mmはワンコに向かうのにちょうど良い距離感で撮れる焦点距離だと感じます。開放からピント面はシャープですが、前後のボケも柔らかくポートレートに使いやすいレンズですね。

2014年3月30日日曜日

MIR-20M 20mmF3.5 (M42)


 M42マウントの超広角系と言えば・・・以前に紹介したフレクトゴン25mmも前玉の大きさとゼブラ模様のリングが相まってかなりの存在感を放っているレンズでしたが、今回の旧ソ連(KMZ)製 【MIR-20M 20mmF3.5(M42)】 ミール20mmもそれに負けず劣らず迫力ある一本です。何と言っても前玉部分(ピントリング部)の外径が約90mmもあり、ソニーのα7に付けて真正面から見るとペンタ部の『SONY』ロゴが完全に隠れてしまうという寸法なのです。サイズだけでなく重さも約460gとかなりずっしりくる重量感で、フレクトゴン25mmと比べても140gほど重い値となっています。ただ大きく重いだけではなく造りも相当しっかりとした印象で、それはピントリングや絞りリングの操作感にもはっきりと現れています。ガタが少なく剛性感が感じられるガチッとした造りはチープさが排除され、ある意味でこれまで抱いていたロシアンレンズの印象を変えてくれるとても好感触なレンズと言えそうです。


 F8辺りに絞って・・・『エドヒガン桜』です。このレンズはマルチコート化される前の前期型ですのでこの様な条件はやや厳しいかと思いますが、この程度のゴーストでまずまず抑えられていると見てもいいのかもしれません。


 開放から一段絞ってF4での『ワンコ』です。近接側は最短18cmまで寄れます。左右下部に放射状の流れが見られますが、開放付近でもこの様な条件では周辺光量低下も目立ちません。