2013年11月26日火曜日

KERN-PAILLARD 8mmシネカメラ用Dマウントレンズ


 スイスの光学メーカー『KERN-PAILLARD』(ケルン・パイヤール)製8mmシネカメラ用Dマウントの3本です。左から・・・

 【YVAR 36mm F2.8 AR】
 【YVAR 13mm F1.8】
 【PIZAR 5.5mm F2 AR】

望遠、標準、広角という並びになります。
 『PENTAX Qシリーズ』のミラーレス機をお持ちの方はマウントアダプターを介してDマウントレンズの画を楽しむことが出来ますが、マイクロフォーサーズ機でも ”ほんの少しだけ”  Dマウントレンズを楽しめる方法がありました。それは・・・「Dマウントのネジ径をCマウントのネジ径に変換する」という方法です。Cマウントのネジ径は約25mm、一方Dマウントは約15mm、この約10mmの差をステップアップリング(ネジ径拡張)により大きくするというやり方です・・・


 ①ステップアップリング(マウント径拡張部材)を、
 ②Dマウントレンズに付けて、
 ③【Cマウント-マイクロフォーサーズ】のマウントアダプターにセットし、
 ④マイクロフォーサーズ機に装着。

 勿論これだけではネジ径がCマウントになったというだけでフランジバックの差は埋められていません。最初に (”ほんの少しだけ” Dマウントレンズを楽しめる)と書いたのもこの点がポイントです。DマウントとCマウントのフランジバック差は約5mm強あるため、相当レンズを前に繰り出していることになり近接領域でしか合焦しない事になります。どんな感じの画になるかというと・・・


 【LEOTAX】の巻き上げノブを、望遠の【YVAR 36mm F2.8 AR】で撮った画です。どうでしょうか・・・まずまずしっかり撮れているという印象です。


 こちらは標準の【YVAR 13mm F1.8】ですが、イメージサークル全域が写り込み小さな鍵穴から覗いているような雰囲気で面白いですね。
 近接のマクロ的描写だけではそのレンズを十分に生かしていることにはなりませんが、大昔の8mmシネカメラ用レンズをこんな風に遊んでみるのも楽しいと思います。

2013年11月21日木曜日

Leitz Summaron 3.5cmF3.5 (L)

 

 前回紹介した【沈胴エルマー】がバルナック時代『標準レンズ』のスタンダードなら、今回の【ズマロン3.5cmF3.5(L)】はライカ『広角レンズ』の代表選手と言える存在の一本かもしれません。
 コンパクトなレンズですが重量感があり、製造から60年が経過した今でもガチッとした剛性感は失せていません。絞りリングがヘリコイドと一体で回転する構造ですので、ピントを決めてから絞り値を変更する操作には若干の不便さを感じますが、広角系レンズですので絞り込んでパンフォーカスで狙うといった撮影手法が多いことからするとこの点も気にするほどの事ではなくなります。
 曇り玉も多いズマロンですが比較的綺麗な光学系のこの一本はコントラストも高くシャープな写りを味わえます。ただマイクロフォーサーズでは本来の画角を生かせていないので、やはりフルサイズ機で本来の写りを堪能してみたいという思いに駆られますね・・・【SONY α7】も発売になったようなので・・・。


 クリアな光学系という事ももあってなかなかシャープな描写です。


 曇天の元での撮影でコントラストも低くなりがちな条件ですが、発色が渋いというか、やや色のりが地味な印象です。


 シャープさはそこそこといった感じで、開放から2~3段絞っても大きな変化は見られませんでした。キレを期待するよりも、この甘さや柔らかさを生かす被写体を選び、オールドレンズらしい写りを楽しむ一本と言えるかもしれません。

2013年11月20日水曜日

Leitz Elmar 5cmF3.5 (L)


1951年製、沈胴エルマー5cmF3.5(Lマウント)です。クロームメッキで最小絞りF22の沈胴エルマーは製造本数も多くライツレンズの中でも最も入手し易い一本で、バルナック型ライカのスタンダードレンズであることは勿論、数多あるオールドレンズの中でも代表選手に挙げられる一本だと思います。
 『ライカ』などには全く縁の無かった二十代の頃、中古カメラ店のショーケースに並ぶ沈胴エルマーを見て「なんでこんなにちっちゃいレンズで、メッキもスレてて、レンズにもキズがあるのに、こんなに高いのか?」と不思議に思っていたのですが、今となっては「ニッケルだ、赤エルマーだ、3.5cmだ、9cmだ」とエルマーだけ見ていても十分楽しめてしまうのがオールドレンズの魅力であり魔力なのかもしれません(笑)

2013年11月11日月曜日

Elgeet 1inch F1.5 (C)


 粗めに加工されたリングのローレットとクロームメッキが美しいCマウントのアメリカ製シネレンズ 【ELGEET 1inch F1.5(C)】 エルジート1インチ(25mm)です。
 Cマウントの25mm(1inch)レンズはこれまでにもご紹介したように・・・ウォーレンサックやベル&ハウエル、ケルンやサンベルティオ、シュナイダーやテーラーホブソン等々・・・様々なレンズに溢れています。それら一本一本は個性的で特徴的なデザインを纏い、写りに関しても各々が個性豊かで面白味に溢れ『オールドレンズ』の奥深さや味わいを存分に楽しむ事が出来るレンズ群と言えそうです。
 このエルジートは大きさの割に重量感があり金属とガラスの質量を手の中にしっかりと実感出来るレンズです。ヘリコイドにクリックストップが設けられているのも特徴的で、距離目盛りの指標毎(feet) ∞-50-25-15-10-8-・・・ にクリックポイントがあります。


 イメージサークルは25mmCマウントシネレンズの中でも小さい部類に入り、マイクロフォーサーズのアスペクト比(4:3)ではこの様にしっかりと四隅がケラレてしまいます。
 絞り開放でもフォーカス部分のシャープさとコントラストの高さは十分なレベルでアメリカ製シネレンズらしい写りと言えそうです。