2014年6月26日木曜日

Leitz Summaron 2.8cm F5.6 (L)


 前回のセレナーに引き続き今回もLマウントの28mmレンズ・・・【Leitz Summaron 2.8cmF5.6】通称”赤ズマロン”です。ライカ28mmレンズの歴史を見てみると、戦前から戦後にかけてはヘクトール【Hektor 2.8cmF6.3】、その後継に位置するのが今回のズマロン【Summaron 2.8cmF5.6】で、Lマウントの28mmレンズはこの2本のみとなります。その後はMマウントのエルマリート【Elmarit 28mmF2.8】が1965年に登場するわけですが、明るい広角レンズの需要を十分に満たせなかったと思われるライカに対し、前回紹介した【キャノン セレナー 28mmF3.5】や【Wニッコール・C 2.8cmF3.5】など国産メーカーがその穴を少し埋める形になっていたのかもしれません。そんな3本で撮り比べをしてみるのも面白いかなと思いますが、まずは”赤ズマロン”の試し撮りです・・・


 開放から2段絞ってF11です・・・セレナーやWニッコールに比べると全体のコントラストが若干低く感じます。周辺光量はまずまずといった印象です。


 元画像をピクセル等倍で見ると十分な解像度を実感出来るのですが、全体的にシャープさに欠けた印象です。レンズの状態はパッと見たところクリアに見えますが、ペンライトで照らしてみると(ズマロンらしい)薄いクモリが確認出来ますので、微妙にこの影響が出ていると言えそうです。


 赤外線フィルム調にモノクロ変換した一枚です。まずまずシャープな描写に見えますが、人工物を被写体にした場合にはもう少しカチッとしたキレのある写りを期待してしまいます。セレナーやWニッコールがかなりしっかりとしたコントラストだったので特にそう感じてしまうのかもしれません。となると、やはり同時代に製造されたレンズということで・・・赤ズマロン、Wニッコール、セレナー、1950年代物Lマウント28mmレンズで撮り比べをしてみたくなってきます。もしかすると今抱いている印象とはちょっと違った結果が出てくるかもしれません・・・。

2014年6月19日木曜日

キャノン セレナー 28mm F3.5 (L)


 1950年代、ライカLマウントの広角国産レンズ【Canon SERENAR 28mmF3.5(L)】キャノン セレナー28mmF3.5です。前回紹介した【W-NIKKOR・C 2.8cmF3.5(L)】とほぼ同時代、同スペックの広角レンズとなります。
 真鍮にクロームメッキされた鏡胴はとても美しく、梨地仕上げの絞りリングが外観のちょっとしたアクセントにもなっており、シンプルだけれども洗練されたデザインのレンズだと思います。
 コンパクトなLマウント広角レンズ全般に言えることですが、リングがどうしても細くなるため操作性に関しては慣れが必要です。このセレナー28mmもピントリングはかなり薄く2mmに満たない幅のローレットが刻まれているだけなので、無限遠ロックを兼ねているノブを手掛かりに操作するのですが、絞りリングのローレット加工部分と重なる箇所があるため、絞り操作がし辛いポイントがあります。(といっても広角系レンズですので、ある程度絞り込んでパンフォーカス気味での撮影スタイルであればそれほど気にする事は無いのですが・・・。)
 この様に細いリングの操作性に関しては如何ともしがたい点はありますが、ガタが無く均一でスムーズなトルク感のピントリングと、クリックストップが設けられカチッと決まる絞りリングの操作感は決してライツレンズにも引けを取らない造りの良さと品質の高さを実感することが出来る一品です。
 

 予想以上にカチッとシャープな描写が得られています。



 絞り開放からピント面はとてもシャープで、周辺の光量落ちも気になるほどでは無くクリアな写りです。


モノクロでも・・・、


 カラーでも・・・、とても自然で画面全域抜けの良い描写を見せてくれるセレナー28mmF3.5です。

2014年6月15日日曜日

HELIOS-44M-4 58mmF2 (M42)


 M42マウント【HELIOS-44M-4 58mmF2(M42)】ヘリオス44Mで・・・

・・・ヒメイワダレソウ(リピア)の上で寝転ぶワンコをパチリ!
 58mmはワンコに向かうのにちょうど良い距離感で撮れる焦点距離だと感じます。開放からピント面はシャープですが、前後のボケも柔らかくポートレートに使いやすいレンズですね。

2014年6月11日水曜日

Kodak Cine Ektar Ⅱ (C)


 アメリカ製Cマウントシネレンズ、コダックの【Cine Ektar II 25mm F1.9(C)】シネエクターIIです。Cine EktarにはF1.4のバージョンもあるようですがこちらはF1.9という標準的なタイプになります。
 アルミ製の鏡胴ですので真鍮にメッキやペイントが施されたレンズと比較すると軽量に仕上がっています。ただ軽量と言っても造りはしっかりとしており、ヘリコイド及びクリックストップのある絞りリングはスムーズに可動しますので、コンパクトだけれども使い勝手が良く快適な撮影が可能なレンズです。
 
 
 経年劣化によりアルミ地にくすみが現れており、残念ながらパッと見はあまり栄えない外観ですね。どちらかというと黒ボディのカメラと合わせるより、白ボディとの組み合わせの方が似合うかもしれません・・・。サイズ的にはコンパクトなマイクロフォーサーズ機にピッタリという印象です。


 イメージサークルの広さはCマウントシネレンズの中では標準的なレベルでしょうか。周辺四隅が若干落ちていますがそれほど気にするレベルではないかと思います。


 こちらはスクエアにトリミングした一枚です。最短約25cm程度まで近接可能で、解像感もなかなかの描写が得られています。

2014年6月3日火曜日

Wニッコール・C 2.8cmF3.5(L)~その2

 W-Nikkor・C 2.8cmF3.5(L)の撮影サンプルです・・・






 四隅の光量落ちと青空ではややマゼンタかぶりも感じられますが、シャープネス、コントラストはかっちりとした描写も見せてくれています。