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2014年11月3日月曜日

Kern-Paillard SWITAR 25mm F1.4 H16 RX (C)


 ビジフォーカス(オレンジ色の被写界深度マーカー)が機能的にも外観デザインの面でもとても優れたアクセントとして効いている、16mmシネカメラ用Cマウントレンズの【Kern-Paillard SWITAR 25mm F1.4 H16 RX】です。ケルンパイヤールならではの被写界深度表示機能ですが、以前に紹介した【SWITAR 25mm F1.4 AR (C) 】の様に白いラインのみというシンプルなものや、YVAR 16mm F2.8 AR (C)】の様にオレンジ色のドットが現れるタイプなど、いくつかのデザインが存在します。


 黒ペイントの鏡胴にカッパーオレンジ色のシャープなラインが浮かび上がる今回のスイター25mm RX は、数あるケルン製シネレンズの中でも最も目を惹く美しいデザインのレンズだと思います。


 コンパクトなシネレンズですが黒、オレンジ、シルバーの配色が強い存在感を放っていて、小振りな黒ボディのマイクロフォーサーズ機に合わせるとお似合いのコンビとなります。見た目の相性はバッチリと言えるLUMIX GX1に装着しどんな画が得られたのか、以下試し撮り結果です。


開放ではかなりハロが見られ甘い描写です。

 
 こちらは開放から2段絞ったF2.8ですが、周辺部はケラレと流れが出ているのに対し、画面中央部はかなりシャープな描写です。


中央と周辺の落差が更によく分かります。

 
 周辺部に現れる放射状の流れ具合は被写体や距離によっても変化し、画面中央に配置したターゲットにググッと視線を引き込んでくれる効果を持っています。
 同じケルン製Cマウントのスイター25mmでも【F1.5】【F1.4 AR】はケラレはあっても周辺の流れが比較的目立たない写りでしたが、今回のSWITAR 25mm F1.4 H16 RXは中央部と周辺部の落差がかなり目立つ描写と言えそうです。

2013年11月26日火曜日

KERN-PAILLARD 8mmシネカメラ用Dマウントレンズ


 スイスの光学メーカー『KERN-PAILLARD』(ケルン・パイヤール)製8mmシネカメラ用Dマウントの3本です。左から・・・

 【YVAR 36mm F2.8 AR】
 【YVAR 13mm F1.8】
 【PIZAR 5.5mm F2 AR】

望遠、標準、広角という並びになります。
 『PENTAX Qシリーズ』のミラーレス機をお持ちの方はマウントアダプターを介してDマウントレンズの画を楽しむことが出来ますが、マイクロフォーサーズ機でも ”ほんの少しだけ”  Dマウントレンズを楽しめる方法がありました。それは・・・「Dマウントのネジ径をCマウントのネジ径に変換する」という方法です。Cマウントのネジ径は約25mm、一方Dマウントは約15mm、この約10mmの差をステップアップリング(ネジ径拡張)により大きくするというやり方です・・・


 ①ステップアップリング(マウント径拡張部材)を、
 ②Dマウントレンズに付けて、
 ③【Cマウント-マイクロフォーサーズ】のマウントアダプターにセットし、
 ④マイクロフォーサーズ機に装着。

 勿論これだけではネジ径がCマウントになったというだけでフランジバックの差は埋められていません。最初に (”ほんの少しだけ” Dマウントレンズを楽しめる)と書いたのもこの点がポイントです。DマウントとCマウントのフランジバック差は約5mm強あるため、相当レンズを前に繰り出していることになり近接領域でしか合焦しない事になります。どんな感じの画になるかというと・・・


 【LEOTAX】の巻き上げノブを、望遠の【YVAR 36mm F2.8 AR】で撮った画です。どうでしょうか・・・まずまずしっかり撮れているという印象です。


 こちらは標準の【YVAR 13mm F1.8】ですが、イメージサークル全域が写り込み小さな鍵穴から覗いているような雰囲気で面白いですね。
 近接のマクロ的描写だけではそのレンズを十分に生かしていることにはなりませんが、大昔の8mmシネカメラ用レンズをこんな風に遊んでみるのも楽しいと思います。

2013年5月17日金曜日

シネレンズ撮り比べ


 焦点距離、開放F値も近いスペックの16mmシネカメラ用レンズの4本です。ウォーレンサックはアメリカ、サン・ベルティオはフランス、ケルンはスイス・・・と3国で製造された4本のレンズです。一本一本単体でも眺めて触って撮影して十分楽しめるのですが、似たようなスペックのレンズが手元に集まるとそれを色々と比較してみたくなるのが人情というものです。というわけで・・・
 
 【WOLLENSAK CINE-VELOSTIGMAT 1inch F1.5】
 【SOM BERTHIOT LYTAR 25mm F1.8】
 【SOM BERTHIOT CINOR 25mm F1.8】
 【KERN SWITAR 25mm F1.4 AR】
 
の写りを少し撮り比べてみたいと思います。

 ボディはマイクロフォーサーズのPanasonic LUMIX GX1。画角の違いが分かるように撮影距離は固定とし、絞り優先モード、WBは色温度5000Kで固定、感度もISO160で固定、アスペクト比(4:3)のJPEG(元画像4592×3448ピクセル)です。発色の違いも分かりやすいように被写体は『花束』にしてみました。全画面に加え、ピント位置の中央部と、周辺部として画面左下を切り出して比較してみたいと思います。


 それぞれのレンズが持っている”雰囲気”や”味”の違いが少しは見えてくるでしょうか?

 まずは4本の画角と全体の雰囲気を見るために、最小絞りよりも1段開けた絞り値での比較です。





 ウォーレンサックは1inch(=25.4mm)ですので他の3本よりも寄りの画角となっており、イメージサークルは広く周辺のケラレはほぼ無いといっていいレベルです。
 ケルンはイメージサークルが小さく、中央部のシャープさに比べ周辺部の収差が大きく残った写りは特徴的です。
 ベルティオの2本は写りに大きな差は無いのではと思っていたのですが、周囲のケラレ具合が随分違いますね。CINORの方はケラレが少ないのですが、柔らかい低コントラストの画になっています。一方LYTARの方はコントラストの効いた写りですが、4本の中で一番ケラレが大きいですね。ただケルンよりは周辺部の流れは少ないようで自然な印象を受けます。
 オールドレンズですので個体差による写りの差は含まれていると思われますが、こうやって並べてみるととても面白いですね。

 次に・・・絞り開放と、小絞りでどの程度画質が変化するのか、まずは画面中央部で比較してみたいと思います。(小絞りは最小絞りから一段開けた絞り値にて撮影)





 ウォーレンサックとベルティオCINORの2本は絞り開放でのコントラスト低下が顕著に現れています。ベルティオLYTARも開放はやや甘い傾向ですが上記2本ほどではありません。一方ケルンは絞り開放から高コントラストでキレのある描写が見られ、f16まで絞るとすでに回折現象が現れてきているのか絞り開放よりも解像感が落ちています。
 ウォーレンサックとベルティオLYTARは絞り込むことでコントラストも向上しシャープネスも増してきますが、ベルティオCINORは絞り込んでもシャドー部のしまりが甘い傾向です。レタッチすることを前提で、ローキー調のモノクロ写真でトーンを再現するのには逆に使いやすいレンズとなるかもしれません。
 絞り値による写りの変化量が大きいのは昔のレンズならではの特徴で、この特性をあえて楽しむのもオールドレンズ遊びの醍醐味と言えそうです。

 次は周辺部の写りについて比較です。まずは【WOLLENSAK CINE-VELOSTIGMAT 1inch F1.5】から・・・
絞り開放側での周辺光量低下がはっきりと現れています。今回の4本の中では絞り込むことでの画質変化が最も大きい一本です。

 続いて【SOM BERTHIOT CINOR 25mm F1.8】は・・・
絞り開放側での周辺光量低下が前回の【WOLLENSAK CINE-VELOSTIGMAT】同様に見られます。絞り値による画質変化は比較的少ないですね。どの絞り値でも全体的にコントラストが低めの柔らかい描写が特徴のCINORです。

 続いて【SOM BERTHIOT LYTAR 25mm F1.8】は・・・
同じベルティオのCINORに比べてイメージサークルが小さいのが分かります。こちらも絞り値による周辺部の画質変化は比較的少ないのですが、小絞り側でケラレが目立ちます。

 最後に【KERN SWITAR 25mmF1.4 AR】は・・・
絞り値による(周辺部の)解像感の変化はあまり見られません。このスイターはイメージサークルは小さ目だけれども開放からキレのある描写が得られていると言えそうです。

2013年5月1日水曜日

KERN SWITAR 25mmF1.5(C)


 スイス製Cマウントシネレンズの【KERN SWITAR 25mmF1.5 AR】です。ケルンのスイター25mmは以前にも紹介した【25mmF1.4 AR】等、いくつかのバリエーションがあるようですが、黒ペイント鏡胴にベース部、ピント、絞りと3本の白リングが配されたデザインは一目で『KERN』だと分かるユニークな外観です。特徴的なのはその外観だけではなくレンズの本質である”写り”にあり、ここに人気の理由が潜んでいるという訳です。


 レンズの中を通ってくる一つ一つの光がイメージセンサーの上でカチッと結合する中央部分と、緩やかに拡散し像を結ばない周辺の流れた部分が同じ画面上に存在する・・・普段見ている何気ない光景も味わい深い画に・・・ちょっと言い過ぎかもしれませんが、何とも魅力あるレンズの一本であることに違いはありません。

 スイター25mmは比較的”奥目”のレンズですのでフードなしでもあまり影響は無いのかなと思いましたが・・・


 太陽光が入射する様な条件ではやはりゴーストが盛大に出てしまいますね。ここでハレ切りをしっかりしてやると・・・


 ここまでゴースト、フレアが抑えられ高コントラストでシャープな写りへと変化します。

2013年4月15日月曜日

KERN SWITAR 25mmF1.4 AR (C)


 スイスのシネ用Cマウント、ケルン スイター【KERN SWITAR 25mmF1.4 AR】です。同じスイターの16mmレンズ【KERN SWITAR 16mmF1.8 RX】は以前に紹介しましたが、今回は25mmの開放F値1.4でARタイプという一本です。鏡胴部が黒ペイントで、直線の細かいローレットが刻まれたリングは中央にピントリング、先端側に絞りリングという配置になっており、これら基本的なデザインは【16mmF1.8】と同じ構成です。少し異なる箇所として被写界深度を示すオレンジ色のマーカー(ビジフォーカス)が今回の【25mmF1.4】には設けられていません。ケルンの特徴的な機構とも言えるこのオレンジ色が見られないのはちょっと残念なところですが、その代わりに絞りリングを操作すると”白いライン”で深度を表す形式になっています。


 経年で多少汚れも見られる状態ですが、この白いラインの深度表示もシンプルでわかりやすい方式かと思います。


 ケルンのシネレンズらしくこの【25mmF1.4】も中央部のシャープさは素晴らしいですね。絞り開放からキレのある描写が得られるというのは特筆すべき性能と言えるかもしれません。マイクロフォーサーズ(4:3)でこれだけ周辺がケラレますが、ボケ味も柔らかく雰囲気のある画作りが期待できる一本です。


 Panasonicのミラーレス一眼LUMIX GX1に装着した画像です・・・コンパクトな黒鏡胴のレンズが違和感なくボディと調和しています。レンズ単体でも十分格好いいデザインだと思いますが、ボディに付けることで機能的な美しさが更に際だってくる・・・そんな雰囲気のあるオールドレンズだと思います。
 レンズを紹介する上で”外観”や”写り”に関しては写真を載せることである程度は伝えられると思うのですが、リングの操作感やトルク感を文章で伝えるのはなかなか難しいですね。自分では適度だと思っても人によっては重く感じる方もいる・・・そんな個々の感覚の違いを埋めることはほぼ不可能なのですが、このレンズの操作感を表現すると・・・ピント、絞り共に『しっとり系』と言える上質なものです。
 シネレンズはサイズも小さい事からどうしてもリングの感触がイマイチと感じてしまうモノも多いのですが、ケルンはそんな中でも上質さを感じられる造りだと思います。 感触の善し悪しは・・・”ガタの有無”、”可動範囲全域での均一性”、”こすれ音等の有無”、”ストップ位置でのあたり”、等の要素で決定する訳ですが、このケルンスイターはこれら要素がバランスよく実現しているのだと思われます。ただし操作感を判断するためにはグリスのメンテナンスがしっかりとされていることが前提ですので、一概にレンズの特徴と決めつけてしまうわけにもいかないですね。この点は写りに関しても同様で同じ種類のレンズでも個体差によって違いが生まれてくる・・・こんなところもオールドレンズを楽しむポイントになるかもしれません。




2013年4月8日月曜日

KERN YVER 16mmF2.8 (C)

 スイス製16mmシネレンズ~ケルン イバー【KERN YVAR 16mmF2.8 AR】で桜を・・・


 高コントラストで周辺が盛大に流れている画はパッと見”トイカメラ”の様な写りにも見えますが、中央部の精細でシャープな描写は素晴らしいですね。 


 こちらはチューリップ・・・画質モードはスタンダードなのですが発色の良さも特徴のレンズです。


 シネレンズだからと言うわけでもありませんがムービーで使うのも面白いかもしれません・・・周縁部のケラレがしっかりと入ってしまいますが、小さい穴から覗いて見ているような感覚でちょっと変わった雰囲気の動画が作れそうな気がします・・・

2013年4月3日水曜日

KERN SWITAR 16mm H16 RX (C)

 スイス製16mmシネレンズ、ケルン スイター【KERN SWITAR 16mm H16 RX】の試し撮りサンプルです。


 窓際に置いたスツールの上に寝そべるワンコの1カット・・・右側に窓があり、レースカーテン越しに差し込むフラットな自然光の元で撮影した一枚ですが、背景のダークブラウンのソファカバーはほとんど黒く潰れてしまっています。周辺部のケラレと合わさってメインの被写体だけがしっかりと浮き上がってくるような効果となりました。これも中央部がしっかりとシャープな像を結んでいるからだと思うのですが・・・


 ・・・周辺部のケラレと流れ具合からすると、この中央部はかなり細密な描写がされているという印象です。中央と周辺の写りのギャップから生まれる面白い効果を楽しむのがこのレンズのポイントかもしれません。


 マイクロフォーサーズの縦横比(4:3)でイメージサークルの小ささがはっきりと分かります。シャープな写りは中心部に限定されるので構図の決め方が制限されてしまいがちちかと思いますが、自由な発想で楽しみたいレンズです。

2013年1月17日木曜日

KERN-PAILLARD SWITAR 16mmF1.8 RX (C)


 16mmシネカメラ用Cマウントレンズの【KERN-PAILLARD SWITAR 16mmF1.8 RX】です。専用の革ケース、フード、リアキャップと高い質感が感じられるセットです。特にこの革ケース・・・造りはいたってシンプルなのですが、色合いも良く、レンズの収まりもぴったりで、いかにもオールドレンズといった雰囲気が感じられる嬉しい一品です。
 外観は以前紹介した同じケルンの【YVAR 16mmF2.8】同様に被写界深度のオレンジ色マーカー(ビジフォーカス)が設けられており、黒ペイントの鏡胴にシルバーリングという特徴的なデザインは他のどのレンズとも違う独特な雰囲気を持ったレンズだと思います。


 写りに関しては・・・直接太陽光が差し込むケースではこの様に盛大にゴーストフレアは出てしまいますが、この様な条件でもコントラストはしっかりと保たれているのが好印象です。


 モノクロにするとコントラストの高さが更に際立ってきます。マイクロフォーサーズの(1:1)スクエアフォーマットでも四隅はしっかりとケラレてしまいますが、画像中央のシャープさはなかなかで、【YVAR 16mmF2.8】同様にシャープな画が期待できる一本です。同じ16mmレンズということで【SWITAR】と【YVAR】の撮り比べなんてしてみても楽しいかもしれませんね・・・。

2012年12月6日木曜日

KERN-PAILLARD YVAR 16mmF2.8 AR (C)


 16mmシネカメラ用レンズの【KERN-PAILLARD YVAR 16mmF2.8 AR】(Cマウント)です。
 黒ペイントの鏡胴にシルバーリングがアクセントとなっている個性的な外観デザインのレンズですが、このレンズのもう一つの特徴として挙げられるのが被写界深度を示す指標です。絞りリングを開放側から順に絞っていくと、距離指標の上部に空けられた左右6ヶ(計12ヶ)の小さい丸穴にオレンジ色のマーカーが順次現れてくるという仕掛けになっています。距離指標の左右に絞り値毎の深度範囲が刻まれていたりするのが一般的ですが、このビジフォーカスと呼ばれる機構はつい絞りリングを回したくなってしまう・・・ちょっと変わった楽しいギミックですね。
 16mmシネ用という事でレンズ口径も小さく、写りに関してはどうなの?という第一印象でしたが、これが意外と・・・


マイクロフォーサーズLUMIX GX1の縦横比(1:1)で撮影したノートリミング画像です。フード等付けていませんが、四隅はしっかりとケラレてしまっています。中心部の画質をピクセル等倍で見てみると・・・


 とてもシャープな写りだと思います。これだけ写ればマイクロフォーサーズでもトリミング前提での撮影が十分出来そうですし、わざとケラレを生かした作品作りに使用するといった方向もありですね。
 ケルンといえばSWITARが人気のようですが、このYVARも十分実力を備えた一本だと思います。スイスの伝統が産んだ名レンズ・・・【KERN-PAILLARD YVAR 16mmF2.8 AR】です。

 コンパクトでかわいいサイズのイバーは小さめボディのカメラによく似合うのですが、PnasonicのLUMIX GX1に装着したらこんな感じになります。


 黒白カラーのレンズは黒ボディのカメラととても相性がいいですね。色、大きさ、重量、操作性・・・なかなかよいコンビだと思います。作例もモノクロのものを2点ほど・・・


 モノクロにすると四隅のケラレも一つの効果として生かせるかも知れませんね。中心部のシャープさと背景のボケ具合が面白いのが特徴です。更にこのレンズは近接側に結構寄れるのも特徴で、目一杯の30cm弱まで寄ってこの画角を生かした画作りも楽しめそうです。


 試し撮りは我が家のワンコをモデルにすることが多いのですが、カメラがあまり好きではないので・・・。おやつで釣りながら飽きないようにササッと撮影を済ませなければなりません。