2012年9月15日土曜日

Leitz Elmar (Red Scale) 5cmF3.5 (L)


 ライカ エルマー5cm F3.5(#1373358)~1956年製、被写界深度のスケールが赤い文字になっている、通称”赤エルマー(Red Scale Elmar)”と言われるものです。

 レンズ構成:3群4枚
 最小絞り:f22
 最短撮影距離:1m
 フィルター径:36m(19mm)


 なんと言っても沈胴式の外観が特徴的で、マウント部のプレート、台形の台座から伸びる無限遠ロックのノブとメッキの鏡胴、そしてレンズ正面の絞りリング・・・独特で特異なデザインですね。
 未使用時には鏡胴を沈めて携行性を高めるために必然的に出来上がったデザインなのだと思いますが、不思議な佇まいを持った魅力ある形だと感じます。
 また非常にコンパクトなサイズなのですが、手に取ると見た目以上に金属とガラスの重量感が感じられ、製造から半世紀以上経過したものとは思えないほど、沈胴部にガタも無く、ピント絞り共にスムースで、精緻な造りを実感出来るのも満足です。


 操作面では絞りの操作に若干慣れが必要かもしれません。レンズ正面に絞りリングが配置されツマミ部分の爪も小さいので、絞り値の確認と設定はレンズ正面をわざわざ見ないといけません。またフードを付けた場合、絞りリングの爪が指でつまみにくくなるといった点があります。慣れてしまえば問題無いのですが・・・。
 またこのエルマーだけに限ったことではありませんが、無限遠ロックのピンがアダプターと干渉してしまい、ピントリングを∞位置へ出し入れすることが出来ません。∞位置へ出し入れする場合には一旦レンズ自体を緩めて、無限遠ロックピンが押せるだけのスペースを浮かせ・・・ちょっと面倒です。


 写りはとても素直でクセの無い描写だと思います。オールドレンズらしく逆光ではゴーストやフレアが出ますが、順光での描写力はなかなかで、絞り開放からピント面はシャープで自然なボケ味、絞り込んでの解像感も期待値以上です。バルナック型ライカの標準レンズとして長年にわたって製造されてきただけの理由が分かります。
 特徴、性能、人気等々・・・色々な面から見てオールドレンズの代表選手と言ってもいいと思う
【Leitz Elmar 5cm F3.5】でした。

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