2012年9月19日水曜日

Leitz Summarit 5cmF1.5 (L)


 ライカ ズマリット5cm F1.5(#821607)~1950年製、大口径のLマウント標準レンズです。

 レンズ構成:3群6枚
 最小絞り:f16
 最短撮影距離:1m
 フィルター径:41mm

 クロームメッキの寸胴ボディはスッキリとしたデザインで、洗練された印象を与えていますね。見た目はシンプルな外観のズマリットですが、手に持つとかなり重量感があり(約320g)大口径レンズに組み込まれたガラスの質量をずっしりと感じることが出来る一本です。
ヘリコイドリングに無限遠ストッパーも備えられており、”パチッ”と掛かるときの感触はエルマーよりも重厚感があり、精緻な作り込みを実感出来る瞬間だと思います。
絞りリング、ヘリコイドリング共に適度な幅と配置となっているので操作感は良く、シンプルなデザインが使いやすさに繋がってると言えそうです。


 小さいボディのミラーレス一眼に装着してもとてもよく似合うと思いますが、重量バランスからすると、やや前下がりでおじぎ気味になってしまいます。但しその分安定はするので慣れてしまえばぶれにくくなるといったメリットになるかもしれません。


 15枚で構成される絞り羽根は綺麗な円形絞りを形作ります。適度なクリック感の絞りリングを操作すると、なめらかな動きで絞り込まれ、造りの良さ、仕上げの良さを感じる一面です。


 写りに関しては絞り開放からF4あたりまではフレア気味で柔らかい印象です。大口径レンズですので絞り開放付近での被写界深度はとても浅く、ボケ具合が大きく印象づけられる結果となります。逆光~半逆光ではゴーストも出やすく色のりが薄く感じることもありますが、一方、絞り込んでハレ切りをしっかりとすれば意外なほどシャープな写りを見せてくれる一面もあり、このあたりの特徴が『クセ玉』と言われる所以なのかもしれませんね。いずれにしても被写体や光線の具合によって様々な写りが楽しめる一本と言えるのではないでしょうか。
 シンプルなデザインと、しっかりとした精緻な造り、そして柔らかさとシャープさを兼ね備えた面白味のある画作りが期待できる【Leitz Summarit 5cm F1.5(L)】でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿