2013年12月14日土曜日

Leidolf LORDON 50mm F1.9 (L)

 今回はちょっと珍しいレンズです。
 1920年代に顕微鏡などの精密機械製造会社として設立され、後にカメラも製作することになったドイツの 『Leidolf/ライドルフ』 というメーカーですが、1950年代後半~に製造されていたレンズ交換可能なレンジファインダーカメラ 『Lordomat/ロードマート』 用レンズの 【LEIDOLF LORDON 50mmF1.9】 です。
 ロードマートシリーズの交換レンズは35mm、50mm、90mm、135mmの4種類が用意され、シュタインハイルなど他社から供給されていたとの事ですが、今回の 【LORDON/ロードン】 はドイツ・ミュンヘンのエナ社が製造しライドルフに供給していた物のようです。
 ライドルフがカメラの製造を行っていた期間は戦後の1949年から始まり1962年には撤退したそうなので、カメラ本体に加えレンズ自体もあまり見かけることがないのは製造本数自体がそう多くないからなのかもしれません。
 またライドルフはこのレンズの銘板を見ても分かるようにライカの 『エルンスト・ライツ社』 と同じドイツ・ウェッツラーにあったというのも興味を惹くポイントです。戦後1949年頃のライツはすでにカメラメーカーとしての世界的地位をしっかりと確立していたわけで、バルナック型からM型へと移行していく頃です。そんな時期にライツを横目にカメラ製造を行った当時のライドルフ社の経営者と技術者たちの想いはどんなものだったのか・・・何か面白そうなエピソードが隠れていそうで興味は尽きません。


 このレンズの面白いポイントの一つはレンズマウントです。ロードマートのマウントはレンズ基部に設けられたリングを回して締め付ける方式なのですが、本レンズにはライカLマウント用のアダプターが付いています。

 当時からライカLマウントに付けるために製造販売されていた物なのか?近年になってワンオフで作られた物なのか詳細は不明ですが、アルミ削り出しのアダプターは内面反射防止の塗装も施されており、しっかりとした造りです。いずれにしてもライカLマウントになることで現代でも生かされているこの珍品レンズを早速 【SONY α7】 へ装着してみたところ・・・


 どうでしょう・・・かなり格好良い組み合わせだと思います。クロームメッキにヘアライン処理されたフードが見た目には結構派手なのですが、とても重厚な造りで質感も高いのが嬉しいですね。またα7との重量バランスも良好でとても快適に撮影することが出来ました。
 次回はこの【LEIDOLF LORDON 50mmF1.9】の試し撮り結果です。

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