2014年4月24日木曜日

ROBOT用レンズとフルサイズ


 ROBOT用レンズの【Carl Zeiss Jena Tessar 3cmF2.8】イエナ製テッサー30mmです。ハーフ判のオリンパスPEN-F用レンズをフルサイズで試したのに続いて、今回はROBOTカメラ用レンズとフルサイズの組み合わせです。『ROBOT』はスプリングを使った連続撮影可能なカメラとして1930年代に開発されたとてもユニークなカメラです。ゼンマイ機構による機械式ワインダーを本体に内蔵しているという、メカ好きにとってはそれだけで興味をそそられるカメラなのですが、レンズ自体もかなりの存在感を漂わせています。
 まず目に付くのはレンズ正面に刻まれた『ROBOT』のロゴです。連続撮影可能という特殊な機能から軍用にも供給されていたという背景からすると、このポップな印象のロゴに少しギャップを感じてしまいます。また被写界深度を示す指標が[赤・黄・緑]と3色のカラーで印されているのもポイントで、合理的だけれどちょっとしたおしゃれの様でもあり、パッと見の外観デザインを見ただけで惹かれてしまう、そんな類のオールドレンズと言えるかもしれません。
 この様に見た目だけからするとライトな感覚のレンズのように思えてくるテッサー30mmですが、実際に手に取ってみるとコンパクトで薄いパンケーキレンズの割に重量は約90gあり、かなり剛性感の高い造りとなっています。距離目盛り毎にクリックストップが設けられたピントリングと、レンズ正面に鋭角なローレット加工が施された絞りリングは共にガタの少ない良質な操作感ですので、実際に撮影する前から期待感も高まります。
 (24mm×24mm)スクエアフォーマットのROBOT判レンズとフルサイズの組み合わせはどんな相性なのか、以下試し撮り結果です・・・。


 ビビッドな発色とフォーカス部のシャープさに対し、画面上部左右にかなり流れが見られます。イメージサークルが小さめのCマウントシネレンズをマイクロフォーサーズと組み合わせた時の様な印象です。シャープな描写を見せてくれる中央部と周辺部の格差が激しく、四隅にかけて急激に像が流れ出しているように見られます。


 ロボット判(24mm×24mm)は概ね赤枠で示したエリアですのでしっかりとイメージエリアはカバー出来ていることが分かります。ちなみにAPS-Cでは白枠で示したエリアとなるのでROBOTレンズの中央部美味しいところだけを味わうにはAPS-Cサイズのミラーレス一眼はベストマッチと言えるかもしれません。


 フルサイズでは周辺にしっかりと光量不足が現れてきますが被写体によってはこれも一つの効果として十分楽しめると思います。

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