2014年4月1日火曜日

Wollensak VELOSTIGMAT 90mm F4.5 (L)

 
 アメリカ製ニューヨーク・ライツの銘が刻印されたライカLマウントのレンズは・・・


 以前に紹介した戦前型の黒鏡胴エルマーによく似た 【WOLLENSAK VELOSTIGMAT 90mmF4.5(L)】 ウォーレンサックのベロスチグマット90mmです。先端側レンズ部(フィルター枠)の形状が若干異なるという点と、絞りリングの形状とクロームメッキ処理となっている点が異なりますが、鏡胴部(ピントリングとマウント周り)は黒鏡胴エルマーとほぼ同じようです。レンズをウォーレンサック社が供給し、鏡胴部をライツ社が提供したという経緯がこれら相違点からも窺うことが出来ます。寸法や重量、リングの配置もエルマーとほぼ同じですので”操作性”に関しては同じレンズと言えるかもしれません。"光学性能"に関しては開放F値がエルマーはF4であるのに対し、このベロスチグマットはF4.5とスペック上に僅かな差がありますが、写りに大きな差は感じられないのではと想像していました・・・


 絞り開放からとてもシャープでコントラストが効いているという印象です。


 低コントラストでぼやけた印象になりがちな被写体でもとても素直で自然な描写を見せてくれます。

 
 シャドー部にしまりがあるので単純にモノクロ変換しただけでもしっかりとした白黒写真になります。またエルマーとの雰囲気の違いが一番現れているのが発色の違いと言えるかもしれません。ベロスチグマットはいかにもアメリカ製レンズらしい色のりの良さを感じます。光学系がクリアな状態を保っていることで高コントラストとなり、その結果色のりが良く感じるという事もあるかと思いますが、エルマーで感じられた薄いくすみの様な発色がベロスチグマットでは払拭されたような印象です。それぞれのレンズの特徴にあった画作りを追求することが出来るのはオールドレンズならではの楽しみですね。

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