2012年10月24日水曜日

Canon LENS 35mm F3.2 (L)


 キャノン35mmF3.2(L)(#74980)~1955年~、キャノン製のライカLマウント広角レンズです。当時のキャノンSレンズシリーズは『SERENAR』ですが、本品はSERENAR名の入っていない『CANON LENS』名となった時代の一品です。

 レンズ構成:4群6枚
 最小絞り:f22
 最短撮影距離:1m
 フィルター径:34mm

 鏡胴のメッキがとても美しい外観ですね。絞りリングのみ梨地仕上げとなっているところが外観上のアクセントとなっています。シンプルですがどんなボディにも似合う洗練されたデザインだと思います。


 絞り値、距離、被写界深度が刻まれた各目盛りも丁寧な仕上げです。絞りリングは適度なクリック感で、ヘリコイドもスムースで良い感触です。操作系にガタは無く精緻な造りを実感出来ます。ピントリングに細くローレットが刻まれていますが、実際の使用ではやや細すぎる為、無限遠ロックノブで操作する方が楽にピント調整が出来ます。


 ライツエルマー5cm/F3.5用のフード(FISON)を付けてみました。ぴったりと装着出来ます。見た目にも違和感はありませんね。マイクロフォーサーズではケラレもなく問題無く使用できます。


 そして専用の外付けファインダーです。マウントアダプターでミラーレス機に装着する場合は不要かもしれませんが、35mmフレームを持たないレンジファインダー機では重宝されますね。こちらも酷い曇りもなく十分実用可能なクリアさを保っています。


 レンズ本体とファインダーが行儀良く収まる専用の革ケースも味があって良い感じですね。現代のモノとは明らかに違うぬくもりが感じられ、このケースがあるだけでこのレンズを所有する喜びが増してきます。


 マイクロフォーサーズで使用すると35mm判換算70mmレンズ相当の画角となるので、ポートレート写真にも使いやすいと思います。ピント面は非常に解像度が高くシャープな写りで、コントラストもしっかりしたレンズだと思います。


 フィルム時代の写真撮影は無駄撃ちをしないようにという緊張感が多少なりともあったと思います。デジタル時代の今、撮影時の緊張感や現像プリントを待つ時のわくわく感をもう一度再確認してみるのも良いかもしれませんね。そんな時はこんなレンズを付けて銀塩の世界へ行ってみたいと感じた【Canon LENS 35mm F3.2(L)】でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿