リアリスト判(23mm×24mm)のルーツであるアメリカ・デビッドホワイト社製の【Stereo Realist】ステレオ・リアリストです。
コダック・ステレオカメラは色や細部のデザインがアメリカらしい1950年代のテイストが感じられるものでしたが、こちらのステレオ・リアリストはやや色気に欠け無骨な印象です。梨地仕上げのクローム部分に黒のグッタペルカという、アメリカ製というよりもドイツ的質実剛健さを感じるデザインで、重さも820g以上ある重量級です。
古典的な仕上げの外装ですが、跳ね上げ式のレンズカバーに刻まれた”STEREO Realist”のロゴは『2枚の写真(2つのレンズ)から立体写真をイメージさせる』とてもスタイリッシュで洗練されたデザインだと思います。
トップの各操作部もシンプルな構成です。シャッターボタン右下に見える赤丸は、巻き上げてコマ送りすると白となりますがシャッターを切ると赤になることで、二重露光防止用のインジケーターとなっています。シャッターのチャージは巻き上げコマ送りとは連動していないため、カメラ正面下部にあるレバーを毎回操作することとなります。
背面の下部にファインダー窓が2つあります。右側が距離計で上下像を合致させるタイプです。
フォーカス用ダイアルは右側面にあるのですが、(1枚目写真で分かるように)距離計の対物レンズが前面の下部左右端に設けられているため、注意しないとすぐ指で隠してしまます。
フレーミング~ピント調整~露出決定~絞り設定~シャッター速度設定~フィルム巻き上げ~シャッターチャージ~シャッターレリーズというマニュアル撮影の流れを一つ一つじっくりと味わいながら立体写真を楽しむのにはうってつけのカメラが【Stereo Realist】と言えそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿