ステレオカメラが続きます・・・今回は 【Wirgin STEREO】 ドイツ・ヴィルジン社製ステレオカメラです。1950年代~エディクサ・シリーズを製造していたヴィルジン社で、このステレオカメラも海外のサイトなど見ると『Edixa STEREO』と紹介しているところをよく見かけます。ただ、このカメラは最初期の最もシンプルなⅠ型モデルで、ボディ本体に『Edixa』の表記はどこにも見あたりません。
とてもシンプルなデザインで、カメラ正面にある大きな文字はファインダー対物レンズ左にある『STEREO』のロゴがほんの浅く刻まれているのみです。1950年代のステレオ・カメラを見ると撮影レンズの間のスペースに、ファインダーレンズが配置されていたり、メーカー名やカメラシリーズのロゴを置いているものが多いのですが、このカメラは貼り革で埋めているだけなので何か物足りなさを感じてしまいます。
無駄なものをそぎ落とすという機能優先の思想が強かったのかもしれませんが、どうにも素っ気なく見えてきます。そこで、もし半分に切ってしまうとどうなるのか試してみると・・・
どうでしょうか?・・・ディティールはさておき、意外にもこんなカメラなら実際に存在しそうと思えてきませんか?これならカメラのデザインとしての納得感が出てきます。”クロームと黒”という古典的な配色に加え、カメラデザインに対する固定観念がそう思わせるのかもしれません。
横長に間延びしたシンプルすぎるデザインのヴィルジン製ステレオカメラですが、操作面に関してはとても使いやすい一台です。
巻き上げがレバー式で、巻き上げ時にシャッターチャージも行われ、距離計は内蔵されていませんがファインダーは背面中央の上部に設けられておりクリアでとても見やすいものです。シャッターレリーズ、ピントレバー類の配置も適切なポジションで、フィルムカウンターや距離指標窓も小さめですが分かりやすいレイアウトとなっています。
背面ど真ん中に『GERMANY』の型押しが入っています。
レンズはシュタインハイル・ミュンヘン製カッサー35mmF3.5、最小絞りがF16で、シャッター速度はB、1/25、1/75、1/200というシンプルな機構の【Wirgin STEREO】です。
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